48.犬に嫉妬 ページ49
＜セフン＞
「…ベッキョニヒョン、そんな顔しないでよ」
「…だって。俺にしかあの顔見せてほしくないのに」
「…犬に嫉妬なんて、みっともないですよ」
「だってぇ！！！」
はぁ…大人気ないベッキョニヒョン。
もうヌナと付き合って半年が経とうとしてるのに…
「ビビちゃ〜ん！ん〜、いい子ね〜！！」
「くぅん♪」
公園でAヌナがビビと遊んでる姿を見て、嫉妬してる。
ヌナ、相変わらずビビにデレデレした表情してて、ビビも嬉しそう。
俺とベッキョニヒョンは、その様子を少し離れたベンチに座って見ていた。
「…ビビって、オスだよな」
「だから犬に嫉妬すんなって」
俺は呆れる反面…嬉しかった。
ベッキョニヒョンって、ヌナのタイプじゃないと思っていた。
だから、上手くいくのかなって…お節介ながら、心配していた。
でも…無事、付き合い始めて半年が経過し。
こんなにベッキョニヒョンはビビにすら嫉妬するほど、ヌナのことが大好きみたいだし。
「…あ、A、こっちに来てる」
「セフナ〜ベッキョナ〜！」
ヌナは手を振りながらビビと走ってこちらに戻ってくる。
「そろそろ行こっか！」
眩しいほどの笑顔…
ヌナに、笑顔が戻ったことが、何よりも嬉しかった。
「うん！行こ〜！…セフン、ビビのリード持ってあげて」
「…なんで俺」
「Aの手は俺と繋ぐためにあるから！！！」
「繋いでも片方空いてるし。あと繋ぎません」
「なんで！？いいじゃん！この辺知り合いいないよ？」
ヌナは、まだ周りを気にしてるみたい。
こうして休日の外のデートは、カモフラージュ、と言って俺とビビを駆り出すくらい。
社内恋愛は相変わらず隠し通せてるらしい。
顔に出やすいベッキョニヒョンが、よくもまぁ…それだけ、ヌナに真剣だってことなんだろうな。
「繋ぎません。ほら、行くよ」
「あー待ってー！」
ベッキョニヒョンを置いて歩き出すヌナ…恋愛のリードは、Aヌナの方が繋いでるのかな、なんてね。
俺は2人についていく。
ベッキョニヒョンとヌナは仲良さそうに話しながら2人並んで歩いて…
ヌナにリードを持たれているビビは、遠慮したのか歩くスピードを緩め、俺の隣に来た。
「ほんと…お前は賢いなぁ〜」
「わんっ♪」
「ビビはベッキョニヒョンに嫉妬しないもんなぁ〜」
「わんっ！」
うん、ビビも、ヌナの幸せが、1番大事だもんね。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年11月6日 6時
