47.俺にしか見せないで ページ48
＜ベッキョン＞
「仕事に支障が出ないんなら、自由に恋愛すればいいと思う。それに口出すのは、おかしいよ。誰かがミンソクさんとAの関係を上に訴えた、っていうのも、ずっとおかしいと思ってた。俺は、ベッキョンが本気でAさんのことが好きで、逆に仕事も頑張れるっていうなら、応援するよ。もし誰かが2人を上に訴えても、擁護するし」
「ぎ…ギョンスヤ〜！！！」
「ちょ、ベッキョン！！」
俺は思いっきりギョンスに抱き付く。
「あははっ！いやぁ、持つべきものは親友だよね〜。優秀なギョンスさんが擁護してくれるっていうのは力強い！説得力がある！」
チャニョルが言う。
うん、持つべきものは親友…。
良かった、応援してくれる仲間がいて…
「…あの、うるさいんだけど」
上から、聞き慣れた声が降り注ぎ…急いで、顔を上げると。
「っ、A！」
「ちょ、声大きい…！みんな見てるから…！」
「え？」
小声で注意され、周りを見ると…みんなの目線が、俺たちに注がれていた。
「アラサー会社員男性が抱きついてる姿なんて誰が見てもおかしいから」
会社では冷たいA…まぁ、それだけ2人きりの時に可愛く感じるからいいんですけどね！
「…ギョンスに嫉妬してんじゃないの？Aさ〜ん！」
チャニョルが場を和ませようと、Aをからかうように言う…あ、怒るぞ、これ…と、思ってたけど。
「な…何言ってんの、パクチャニョルっ！」
ちょっと顔を赤くしながらチャニョルを叩くA…え、これは…
「Aさんが、照れてる…」
ギョンスは呆気にとられた表情をする。
「っ、ドギョンスまで…うるさいっ！」
Aは…可愛い顔をして、そのまま去って行った…
「…すごいな、恋の力って」
ポツリと、ギョンスが呟いた。
その夜。
「A〜、昼さぁ、ギョンスに嫉妬したの〜？」
Aの家のリビングで、2人でのんびりしている時に思い出して、聞いてみた。
「…ちょっと、ね」
Aは俺に身体をもたれさせて、そう言う…
付き合い始めてから、随分とAは素直になった。
会社と2人きりの時の、このギャップがたまらなくて…でも、さ。
「あぁいう顔、チャニョルとかギョンスに見せないでよ」
「え？」
「会社では…クールなAでいて。可愛い顔は俺だけに見せて！」
そんな寒いセリフも、簡単に言えちゃうくらい…俺は、Aに没頭してるんだ。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年11月6日 6時
