43.弟の事情聴取 ページ44
＜ベッキョン＞
目が覚めて…Aが、隣にいることを確認する。
あぁ、いい目覚めだ…と、思いたかった、けど。
…なんか、人の気配がする。
そう思って、自然と目が寝室の扉に…
「え…」
人影…
寝起きでぼんやりとする頭を回転させる…
あれ、この家には、俺とAの、2人のはず…
まさか…
「お、お、おばけ！？！？」
「…は？」
バッと上半身を起こすと、人影はこっちを向いて…
「お前…この前の…！！！」
そう言って、人影は俺を指差す…ん。
俺は眠たい目を擦り、よく見ようと目を細める…
「あ、Aの、弟！！！」
あのオーラは…セフン、だ！！
俺が指差すと、セフンは少し黙った後に、不機嫌そうに目を細め…
「…服、着て、リビング来てください」
「え…」
「事情聴取します」
しばらく、ポカン、としていたけど。
だんだん、頭が冴えて来て。
…やばくね？この状況。
そもそもなんでセフンが居るのか、は、さておき…。
セフン、超怒ってたよね。
そりゃ、そうか…大切なヌナ…しかも、関係を正常にしろって言ってた男が、一緒のベッドの中…しかも俺、今、裸…
…ヤバい。
しかも、付き合うことになった、とか言ったら…どういう反応されるんだろ…
俺は、急いで服を着る。
こんな時は…
「も…申し訳ありません！！！！！」
俺は、リビングのソファに座る華麗にスライディング土下座をキメる。
とりあえず、謝罪！！！
恐る恐るセフンを見上げると。
「…あんた、プライド無いの」
そう言って、目を細めていた。
「しかも、何に対しての謝罪なのか分かんないんだけど」
セフンはその長い脚を組む…
オーラやば。年下のくせに…。
「えぇっと…」
俺は、硬いフローリングの上に正座する。
ジトッと見てくるセフンに、負けないように。
「俺、ビョンベッキョンといいます」
「ビョン、ベッキョン…」
「はい。A…さんと…お付き合いすることに、なりました！！！」
思い切ってそう言い、ぎゅっと目を閉じる。
「…は？」
セフンは呆気に取られたような声を出す。
…怒られるかな…。
そう思って、目を閉じたまま待っていると。
「…とりあえず、ソファ座ってください」
セフンは少し声を柔らかくして、そう言った。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年11月6日 6時
