41.落ち着きのないビビ ページ42
＜セフン＞
「わんっ！」
ビビの鳴き声で、目が覚める。
「ん…ビビ…おはよ…」
ぴょんっ、とジャンプし、俺が寝ているベッドに上ってくるビビ。
外は明るい、朝だ。
「へっ、へっ、へっ、」
俺が撫でようとすると、ビビはまたベッドから降りてどっかに行ってしまう。
数日前から…Aヌナと離れてから、ビビは落ち着きが無い。
ビビも、寂しいのかな…。
「んーっ！」
今日は休みだし、ビビと遊んであげよう。
ベッドから起き上がり、チャカチャカと走り回るビビを追う。
ヌナを探してる風、なんだよな…胸がきゅうってなる。
「ビビ…ヌナのためだからな…」
「くぅん…」
俺の言葉が通じたのか、大人しくなってしゅんとするビビ。
「ヒョンが遊んでやるから、元気出せ！」
「わんっ！」
「いつも僕の方がセフナと遊んでやってるんだ、と言いたげだねぇ、ビビ氏〜」
そんなことを言いながら、ビビの大好きなおもちゃのある棚を開ける…が。
「あれ…しまった、ヌナの家に置いたままだ…」
棚は空っぽ。
あれがあれば、いっつもビビ元気になるのに…
「ごめんビビ、おやつで我慢して…」
そう言って、おやつの棚を開けるけど。
「…え、あれも、ヌナの家…？」
ビビのお気に入りのおやつだけが、無い…
「はぁ…どうしよ」
「くぅん…」
俺の足元で項垂れるビビ…そんな顔しないで…。
「…ビビ、ちょっとお利口に待ってられる？」
「くぅん…」
「だって…まだヌナと会わせるわけにはいかないし…おもちゃとおやつ持って、さっさと帰ってくるから！」
「わんっ！」
「わかった？すぐ帰ってくるからね？」
「わんっ！！」
「よーしよしよし」
本当に言葉が通じてるのかはさておき。
まぁビビは賢いから通じてるでしょう。
ここからヌナの家は車で5分くらいだし、さっさと行って、さっさと帰ってこよう。
ついでに、合鍵返さないとな。
「行ってくるね、ビビ」
「わんっ！」
ちょっと名残惜しそうなビビに玄関の扉が閉まるまで手を振り、走って駐車場に向かい、車に乗ってヌナの家に向かった。
ピンポーン
家の前まで来て、一応インターホンを鳴らす。
…まだ寝てるかな。
合鍵を使って中に入る。
「おじゃましまーす…」
起こさないようにリビングに入る…と。
テーブルの上には、食べかけの料理が…
２つ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 155人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：LUKE | 作成日時：2020年11月6日 6時
