37.ドキドキのお宅訪問 ページ38
＜ベッキョン＞
ここで、いいんだよな…。
何回も何回も、送られてきた住所と地図アプリとマンションの部屋番号を確認する。
よし、絶対合ってる…勇気出せ、ビョンベッキョン…！！
仕事が終わり、真っ直ぐにAの家に向かい。
マンションのエントランスにて恐る恐る部屋番号を入力して呼び出しボタンを押す…
『はい』
「あ、えーっと…ビョンベッキョンですー…」
緊張して、なんだかよそよそしくなる。
『どうぞ』
ガーッ、とエントランスの扉が開く。
「…ふぅ」
とりあえず一安心して、エントランスに入り、エレベーターに乗る。
…やべぇ、会社とホテル以外で会うの初めてですっげぇ緊張する…！！
しかもAの家…どんな感じなんだろ…
部屋着？部屋着かな…やばい、色々想像して…。
「ん゛ん゛！！！」
落ち着け、ビョンベッキョン。童貞かよ。
…いやぁ、でも久しぶりの女の人の家だしなぁ…
落ち着いては興奮し、を繰り返しながら、家の前に着く。
「…よし」
また落ち着いて、ピンポンを押すと。
ガチャ
扉が開いて…中から、Aが出てくる…
「いらっしゃい」
わぁ、部屋着だぁ…！！
スーツとバスローブ姿しか見たことないけど…知ってる雰囲気じゃない！
なんかリラックスしてる感じで、
「…ベッキョン？」
「あ、ごめん…お邪魔します…」
落ち着けってば、俺。
我に帰り、Aの家に入った…途端。
「わぁ、すっげぇいい匂いする…！！」
美味しそうな匂いが広がる…思わず、鼻をくんくんとさせる。
「…ほんと、犬みたい」
その呟きが聞こえ、Aを見ると…
Aは、柔らかく微笑んでいた。
ドキッ
やば、自分の家だし、当たり前に誰も見てないし…A、リラックスしてるのかな…そんな笑顔、簡単に見せてくれるなんて…
「ご飯作ったの。冷めるから早く来て」
「う、うん！」
スタスタと中に入っていくAに慌ててついていく。
「すっげぇ…！！A、料理できるんだ…！！」
「…まぁね」
Aに誘導されて椅子に座ると、目の前には色とりどりの料理たち…すごい。
「やっべ…早く食べたい！」
「ふっ…うん。食べよ。いただきます」
「いただきます！」
俺は急いで箸を持って、近くにあった炒め物を一口…
「…おいしい…！！」
パッとAを見ると…Aは、箸を持たずに俺を見て、微笑んでいた。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年11月6日 6時
