28.確証を得た ページ29
＜ベッキョン＞
慌てて切り替えて、なんとか、会議を乗り切り。
「はぁーっ…」
ぞろぞろと周りのメンバーが会議室を出て休憩に入って行く中、そのまま机に突っ伏す。
…ダメだなぁ、俺。ホント、公私混同甚だしい。
「ベッキョンくん」
ポン、と肩に手が置かれ…顔を上げると。
「どうしたんだよ、今日…疲れてる？」
困った顔をして笑う…
「み、ミンソク、さん…」
ミンソクさんは、俺の隣の席に座った。
「いやぁ、プロジェクトリーダーとして、メンバーのことが心配でさ…皆んなが順に挨拶してく中で、ベッキョンくんだけボーッとしてたみたいだから」
にこっと笑うミンソクさんは、大人の余裕がある感じで。
さすが…
Aの…元彼…(仮)。
まだ、分かんない…確証は、ない。
「ベッキョンが最初の大事な会議をおざなりにするような人じゃないこと、知ってるから。余計心配でさ」
さりげなくフォローしてくれる元同じ部署の先輩…
うん、Aが惚れるのも、分かる…
って、またA！！！
「何か、悩みでも？俺でいいなら…話、聞くよ」
そう言ってにこっと笑ってくれるけど…いや、あなたのせい…
かも、しれないってだけだよな。
このままモヤモヤしたまま、仕事に支障が出ちゃ…更に、ミンソクさんに迷惑かけちゃう。
周りを見回す…会議室には、俺とミンソクさんだけになった。
よし、聞いてみよう…あくまで、俺のAへの気持ちは、隠しつつ。
「あの…悩みとかじゃないんですけど…ちょっと、聞きたいことが、あって…」
「ん、なに？」
童顔のキラキラした優しい笑顔を向けてくるミンソクさん…うぅ、聞きづらい、けど。
「あの…A、さんと付き合ってたって…本当、ですか…？」
そう聞くと、ミンソクさんは大きな猫目を、さらに大きく開く。
そして…
「あはは…どこから漏れるんだろうね、そういう噂って」
漏れる、っていうことは…
「…うん。そうだよ。付き合ってた」
…あーーー…
なんだ、この気持ち。自分で聞いといて…
すっっっごい、胸がきゅうっ、て締め付けられて、痛い。
「でも…それがバレて…彼女は、実力があって色々と大事な仕事を任されてたのに…俺が、恋人だから贔屓してるんじゃないかって言われたみたいで。それで呼び出されて…俺は、彼女のキャリアの邪魔になりたくなくて…彼女から、離れることにしたんだ」
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年11月6日 6時
