23.新しい恋？ ページ24
＜セフン＞
…ヌナ、遅いな。
「くぅん…」
「ねー、ビビも寂しいよねー」
もふもふとビビを撫でつつ、ヌナの帰りを待つ。
俺が早く帰ってきたっていうのもあるけど、ヌナ、いつもはそろそろ帰ってきて、ご飯の用意してくれるのに。
「お腹空いたなー…」
そう俺がボヤいた時。
ガチャッ
「わんっ！！」
玄関の開く音がして、ビビが俺の腕を抜け出してヌナの元に向かう。
俺もビビを追いかける。
「ただいま、ビビちゃん！よしよし〜…」
にこにこしながらビビをぎゅっと抱き締めるヌナ。
「おかえり、ヌナ」
「ただいま、セフナ」
…あれ、なんか…いつもより…
「ヌナ、良いことあった？」
「へ？」
ヌナはちょっとアホっぽい声を出しつつ、靴を脱いで家に上がる。
「なんか…ちょっと顔が明るいから」
「…そう？別に」
そう言いつつ、ヌナはビビを抱き上げて。
「ん〜…やっぱりビビが1番！！」
「くぅん♪」
そう言って顔をビビに埋めるヌナ…気になるな、その言い方。
「…じゃ、2番は誰」
「…うるさい、セフナ」
ヌナは冷たい声でそう言ってビビを撫でつつ、リビングに入って行く。
俺の脳裏によぎったのは…
「ねー、一昨日の男となんかあった？」
「…っ、うるさいっ！セフナには関係ない！」
…なんで、ちょっと顔赤らめんの。
「気になるって言ってたドギョンスって人は？」
「それはあんたが新しい恋しろってうるさいから適当に名前出しただけ」
「その種明かしをするってことは、一昨日の男と進展あったんだ！」
「無い！！別に！！！」
「くぅん…」
「あ、ごめんねビビ、おっきい声出しちゃって…」
ヌナはソファに座って、またビビに顔を埋める。
「新しい恋、始める気になった？」
そうだったら嬉しいな、と思って、俺は興味津々でヌナの隣に座る。
「…始めない。もう恋愛はしない」
「なんで…前みたいに、おんなじ職場じゃなかったら大丈夫でしょ」
「…」
黙るヌナ…え、まさか。
「また、おんなじ職場の人…？」
「…だから、恋してないって」
いや、おんなじ職場か、っていうことをまず否定してよ…。
まったく…。
Aヌナは、元彼…ミンソギヒョンとのことで、痛い目見てるはずなのに。
そのことは十分…ヌナも、痛いほど分かってる、はずなのに。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年11月6日 6時
