1.彼と彼女の関係性 ページ2
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「はぁっ…んっ…」
「やっ…らめ、いっちゃ…っ！！」
あるホテルの一室に響く…
ギシギシとベッドが軋む音、
肌と肌のぶつかり合う音、
言葉にならない男女の嬌声。
これだけ書けば、何が行われているのかは想像に難くないだろう。
「はーっ…」
その行為が終わり、男…ビョンベッキョンは裸のままベッドの上に大の字に寝転がる。
その一方。
「…もう帰るの、A」
「うん。いつもそうじゃん」
さっさと脱ぎ散らかされていた服を拾い、スーツに腕を通す女…A。
「いや、ほら…もっと余韻とかさ…？」
「それ、必要？恋人でもないのに」
服を着終わり、鞄から財布を取り出しながら冷たくAは言う。
「…可愛くねぇ女」
「今更でしょ。お金ここ置いとくよ。じゃあね」
そう言って、Aは足早に部屋を出て行く…行為が終わってから、実に10分。
彼女の動きには、無駄がない。
「…はぁーっ！！」
ベッキョンはAが置いたお札を手に取り、光にかざす。
売 春？
いえいえ、とんでもない。これはただのホテル代の割り勘分である。
ショートタイム1時間2000円のうち、きっかり半分の1000円札がひらりと1枚。
1時間、のはずだが、まだ20分ほど時間は残っていて。
1人残されたベッキョンは、いつも時間になるまでダラダラとベッドで過ごす。
ここまででなんとなくお察しかとは思うが、彼らは所謂、セ フレの関係性である。
身体の関係のみ。プライベートには一切干渉しない。
お互いに都合の良い時間に会い、お互いの欲を満たして、終わる。
それだけの簡潔な…プラトニックとは正反対の関係性なのである。
ある日、同じ会社の部署で働く同僚である2人は、会社の忘年会で酔っ払い…
朝起きて気づいたら、2人裸でベッドの中。
今年で25歳…アラサーとなる彼らは、自分たちに情けない、と感じつつも。
酔っ払ってほぼ頭の中に記憶は無い中、身体はなんとなく記憶していたようで…
後日改めて2人で話したところ、身体の相性が抜群なのではないか、という結論に至り…
お互いパートナーもいないし、恋人が出来るまで、そして会社の仲間内にはバレないように、という条件付きで関係が始まった。
そしてズルズルと続いて…もうすぐこの関係性も、1年になろうとしている。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年11月6日 6時
