リナリアに苦悶する 7 (ページ9)

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308.話を聞きにページ9

＜セフン＞

「もしもしミンソギヒョン」

『あぁセフン…どうした？』

「今日のバイトなんだけどさ…なんかAちゃんの様子がおかしくて」

『というと？』

「ベッキョニヒョンとデートしてたはずなんだけど、帰ってきてからなんか力なくて落ち込んでる感じで。今は泣き疲れて寝てっぽいんだけど」

『…ベッキョンなら今店にいるぞ』

「え？」

『でろんでろんに酔っ払ってカウンターで寝てる。カクテル２杯しか飲んでないのに…コイツこんなに酒弱かったのか』

「それは知らないけど…」

『ベッキョンも、様子がおかしかったよ。話するなら来て無理やり起こしたら？接客しなきゃだからそろそろ切るよ』

「あ、うん、ありがとミンソギヒョン」

『はーい。Aちゃんが心配なら来なくても大丈夫だからね』

「…うん」

ミンソギヒョンとの電話を終えて。

ベッキョニヒョンも、様子がおかしかった…じゃあやっぱり、2人の間に何かあったってことだ。

この状態のAを1人にするのが不安…でもA1回寝たらしばらく起きないし。

それに、Aが心配だからこそ、何があったかベッキョニヒョンに吐かせたい。

ヒョンがAに何か悪いことをしたのならその場でぶん殴れるし。

俺は、Aに「いってきます」と小さく言って、ミンソギヒョンの店に向かった。

「こんばんはー」

「あ、セフナ、来たんだね」

「うん…あ、これか」

「そう…って、一応お客さんをこれって言うなよ。ヒョンだし」

お店について、真っ先に目に入ってきたのは、入り口から1番近いカウンターの端の席で机に突っ伏して寝る、ベッキョニヒョンの情けない姿。

「ヒョン、起きて」

ペチペチ、と容赦なくほっぺたを叩くと、んっ、と小さく呻いて、やっくり目を開けたベッキョニヒョン。

「ん…あれ…」

「俺。セフン。分かる？」

「せふな…なんれ…？」

「はぁ…情けないなぁヒョンのくせに。Aと何があったか聞きに来たんだけど」

「ん…Aちゃんと…？…あ！！！」

思い出したように、めちゃくちゃ大きい声をだすベッキョニヒョン。

「ちょ、しっ！他のお客さんいるから、」

「そうだ！！お前…セフン！！」

「静かにして、ベッキョニヒョン！！」

慌ててベッキョニヒョンの口を塞ぐが、他のお客さんたちの視線が痛い。そして、ミンソギヒョンの視線も。

「…ミンソギヒョン、俺、ちょっとこれと外で話してくる」

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