リナリアに苦悶する 7 (ページ50)

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349.2人きりの休日ページ50

＜ベッキョン＞

朝。

「ふわぁ…」

目が覚めると、隣にAは居なくて。

ポリポリとお腹を掻きながらリビングに向かう。

「あ、おはようございます、ベッキョニオッパ」

「おはよ、A…」

リビングでは、Aが昨日の飲み会の片付けをしていた。

俺は、そんなAにぎゅっと抱き着く。

「体調は大丈夫ですか？」

「うん…Aこそ」

「私も、大丈夫ですよ」

そう言って笑うAに安心して、軽くちゅっとキスをした。

「あの、チャニョリオッパはおでかけですかね？」

「あぁ…なんか旅行行くってさ」

時計を見ると、もうすぐ12時。

午前中に出発したのか、チャニョルの気配は無かった。

「え、旅行？」

「うん。だから…今日は、2人きりだよ」

「今日は、じゃなくて、今日も、ですよ」

「んー、昼だけじゃなくて、夜も、だよ？」

そう言って俺が悪戯っぽく笑うと、Aは察したのか、赤い顔をして俯く。

Aって、結構そういうことに興味あるよね。

「楽しみだね♡」

俺がそう言うと、Aは戸惑うように目をオロオロとさせた。

そんな反応をされると、俺も、なんだかそわそわしてきたや。

少しぎこちないながらも、なるべく普段通り、俺たちは過ごした。

昼はソファで2人、ゲームしたり雑誌読んだりしてゴロゴロして。

夕方には散歩に行ってみたり、帰りにスーパーに寄ってみたり。

晩ごはんを作るAにちょっかいをかけて怒られて、笑い合って。

「ごちそーさまでした！今日も美味しかったです！」

「ふふっ、それは良かったです」

「じゃ、俺洗い物するからお風呂入っておいで」

「あ、はい！」

Aが風呂に入って、洗い物をする間。

俺はぼーっと考える。

ゴムは…あったよな。

いや、まだするって決まったわけじゃないし。

まだAの口から直接、したいって聞いたわけじゃないし。

でも、夜2人きりってだけで、意識はするだろうし。

なんて、興奮気味な自分を抑えようとしてみたり、抑えきれなかったり。

Aといると…なんだか、自分の初々しかった頃の気持ちが呼び起こされる。

「ベッキョニオッパ…お風呂、上がりました」

「ん！」

考え事をしていたせいで、Aが隣に来ていたことに気付かなかった。

風呂上がりで、頬が赤くて髪からは若干の水滴が溢れている、ちょっと色っぽい、A。

「…俺も入ろっと」

まだ風呂に入っていないというのに、俺の中の熱が滾るのを、感じた。

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