リナリアに苦悶する 7 (ページ29)

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328.苦しいページ29

＜セフン＞

「それは…お前、言い過ぎだろ」

ジュンミョニヒョンに、Aとの間に起きたことを話し終わると、そう言われた。

「自分は恋愛できない、って伝えるだけでよかったんじゃないか？そこから、じゃあどうするかって、Aちゃんと話し合えば良かっただろ？わざわざ、Aちゃんを突き放すようなことまで言わなくても…」

「…話し合ってどうなんの。Aはベッキョニヒョンのことも好きなんだから、俺のこと諦めてベッキョニヒョンのところ行けば全て丸く収まる」

「簡単に言うなよ…それに俺は、Aちゃんの気持ちを無視したお前に怒ってんだよっ！」

「いててっ！つねらないでってば！！」

頬っぺたをぎゅっと摘んでくるジュンミョニヒョンの手をパシッと払い除ける。

「まったくもう…お前ってやつは。俺が娘のように思ってるAちゃんを傷つけるなんて…」

「俺なら傷つけてもいいわけ？」

ジンジンする頬を自分で撫でながら、ジトッとジュンミョニヒョンを睨む。

「そうじゃない…2人共に幸せになってほしいよ、ヒョンは」

困ったように微笑むジュンミョニヒョン。

「セフンはいいのか？これで、幸せになるのか？」

Aがいなくなって…1人で、また暮らすことになる。Aが来る前に戻るってことだ。

Aが来る前…どんな感じ、だったっけ。

「Aちゃんといるセフン、俺からみたら幸せそうに見えたけどな」

そう言われ、パッと浮かぶ、Aの笑顔。

ズキッ

…まただ。また、この痛み。

「…Aが、自分から出て行ったんだ」

「お前の圧を感じたからじゃないのか？」

「俺は…」

「いい加減素直になれよ。もうお前も大人なんだから。ヒョンに言ってごらん？本当は、セフンはどうしたいのか」

そう、子どもに言い聞かせるように言うジュンミョニヒョン。

俺は…

「…俺は、苦しい」

ポロリと、溢れるように言葉が出る。

「俺は…こんなにAのことが好きなのに、どこか、Aの好きとはすれ違う。それが、苦しい」

『でもさ、俺より照れるAを見てたら、なんか…自分の感情は、恋なんて呼べるほどのものじゃないのかもって思っちゃって』

Aと、おんなじじゃないのが、苦しい。

「だから、一緒にいたくない。辛いから」

そう、言葉が溢れた。

「…本当に、それだけか？」

「何が」

「Aちゃんといて湧き上がる感情は、辛い、だけか？」

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