リナリアに苦悶する 6 (ページ45)

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294.やっぱりイケメンページ45

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「おまたせしました、オリジナルコーヒーです…」

「…」

さっきの騒がしいオッパとは打って変わって。

仕事を始めてからは集中しすぎて、私に気づいていないベッキョニオッパ。

この姿は、本当にカッコいい…

「…そんなに見つめられると流石に気づくよ」

「へ？」

徐にヘッドホンを外して、ありがとう、と言いながらコーヒーを受け取るベッキョニオッパ。

「んーっ！疲れたぁ…」

オッパは大きく伸びをして、コーヒーに口をつける。

「Aちゃんも、お疲れ様」

「いえいえ…」

今日は客足は穏やかで、店内はゆったりした空気が流れている。

そんなに忙しくないし、疲れてもないのだけれど。

「昨日、あんまり寝れなかった？」

「え…なんで、ですか？」

「んー、なんかいつもより目が開いてない気がするから」

仕事に集中しているように見えて、ちゃんと小さな変化を見ている…さすが恋愛マスタービョンベッキョン氏。

「無理、しないでね」

ベッキョニオッパはそう言って、またヘッドホンを付け直した。

そして、仕事、と口パクで言う…あぁ、私がバイト中なのを気にして、雑談を短く切り上げてくれたのか。おしゃべりなオッパだから本当は喋りたいだろうに…

イケメンだ。

紛れもなくイケメンだ…外見も中身も。

そんなオッパに、きゅん、とならないわけがない…

　カランカラン

あ、やばいやばい。

入口のドアが開いてお客さんが入ってくる。

せっかくオッパも気を遣ってくれたんだし、仕事に集中しないと…。

「いらっしゃいませ。一名様でしょうか？」

そう聞くと。

「はい…あ、今日は出勤日なんですね」

お客さんは、そう返してくる…ん？

「えっと…覚えてない？僕、ミンソギヒョンの昔からの知り合いで…」

「…あ！キムジョンデさん、でしたっけ…？」

顔は見たことあるけど…と思ってじっと見つめていると、思い出した。

私がオーダーされた紅茶をスーツにこぼしちゃった人だ…

「先日はすみませんでした！スーツ大丈夫でしたか…？」

今日もスーツだ。確か、大学の准教授だって言ってたっけ。

「うん、大丈夫だよ！もう気にしないで。えっと、どこに座れば良い？」

「あ、ご案内します！」

にっこりと微笑んでくれるジョンデさんを席に通す。

その途中、ベッキョニオッパとふと目が合って。

オッパはしっかり仕事をしている私を見て、微笑みながら頷いた。

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