リナリアに苦悶する 6 (ページ37)

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286.恋人になりたいのはページ37

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「あ、そういえば、キムジョンイン、Aのこと諦めるってさ」

「…へ？」

「だからAはベッキョニヒョンに専念すればいいよ」

「…いや、ちょ、待ってもらって…」

久しぶりにセフンさんに抱き枕にされながらたっぷりお昼寝した後、昼ごはんにしては遅い、夜ご飯にしては遅い食事を摂りながら、突然セフンさんがそう切り出す。

じ、ジョンインさんが、私のことを諦める…？？？

「昨日夜出かけたでしょ？キムジョンインに会いに行ってたの、ちょっと話をしたくてさ。で、そう言われた。なんか仕事が忙しくて恋愛するどころじゃないってさ」

「そ、そうなんですか…？」

私の話をするために、わざわざ会いに行ったってこと…！？

なんでそんなこと…セフンさんは私の保護者をやたら自称してたからそこまでしてもおかしくはない…のか…？

それにしても…そっか…お仕事忙しくて…。

身体が心配だったりするけど、お店に行った時のジョンインさん、結構活き活き働いてらっしゃったしな…。

「少し、寂しい気もしますけど…」

「ん、好きだったの？」

「へっ…！？い、いや、まぁ、素敵な方だなぁ、とは思ってましたけど…」

しっかり成人女性扱いしてくださって嬉しかったし…誰かさんと違って。

「ま、Aはベッキョニヒョンが好きだもんね」

パクッと平然とご飯を口にしながら言うセフンさん…はぁ。

「あの…まだ誤解してます？」

『おめでとー、ベッキョニヒョンと末永くお幸せにー』

昨日…ベッキョニオッパにキスされたところを見られて…誤解を解こうとしてもいつものようにひらりひらりと交わされて、結局そのままだったんだ。

『仮の、恋人だもんね』

…ついでに変なこと言われるし。

「ベッキョニオッパとは…その…き、キスはされました、けど…付き合ってはないです！」

「…うん、仮の恋人でしょ？」

「だから…なんですか？それ…仮でもなんでも、とにかく恋人じゃないです！」

「…ほんとに？」

「本当です！」

「キスはしたけど？」

「恋人じゃないです！」

「2回もしたけど？」

「こ、恋人じゃないですってば！！」

いじわるするように聞いてくるセフンさんに、つい顔を真っ赤にして叫ぶ私。

「…そっかぁ」

そう言いながら、またご飯を口に運ぶ。

私が恋人になりたいのは、あなたなんですって…！！！

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