リナリアに苦悶する 6 (ページ17)

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266.バイト終われページ17

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しっかりと私に気づいていた様子のベッキョニオッパにどう返せばいいのか分からなくて立ち尽くしていると、他のお客さんが来店して。

『シフト終わったら、家まで送るからね』

そう言われてから私は、バイトの時間が終わるのを楽しみにしながら、接客をこなしていった。

…もうすぐ14時、お昼の営業を終える時間…そしてバイトを終える時間だ…。

「Aちゃん、もう閉めよっか。ラストオーダー終わったし、ベッキョン以外にお客さん居ないし」

「っ、はい！」

まだ14時までにはあと10分くらいあるけど、ミンソギオッパがそう言うんなら仕方がない、閉めよう！

出入り口の看板をCLOSEDにして、お店の中に戻る。

すると、ミンソギオッパとベッキョニオッパが話をしていた。

「あ、Aちゃんバイト終わったんだね、おつかれ〜」

「あ、はい、ありがとうございます…」

パソコンを閉じてヘッドホンを首にかけ、ふにゃふにゃと笑いかけてくるベッキョニオッパに、少し照れながらそう返す。

「Aちゃん、お昼ご飯持ってくるから、適当に座ってて。あ、ベッキョンもいる？コーヒーだけでご飯食べてないだろ？」

「え、やったー！俺もまかない食べれんの！？」

「きちんと料金はいただきます」

「ですよねー」

そんなミンソギオッパとベッキョニオッパの会話に思わず吹き出しつつ、ベッキョニオッパの隣のテーブルに座ると。

「Aちゃんはここでしょ？」

そう言って向かい側の席を指してくるオッパ。

「あ、え、はい…」

でしょ？、と言われても分からないんですけども…とりあえず言われたように席を座り直した。

ミンソギオッパはお昼ご飯を作りに行ったので、向かい合わせで2人きり…こう向かい合ってみると、緊張する。

「なんでそんな緊張してんの？」

「…え、なんで分かるんですか…」

「んー、肩上がってるから」

「ほ、ほんとですか？」

自分でも気づいてなくて、数回肩を上げてはストンと落とし、を繰り返してみた。

「ふふっ…ほんと素直だね〜Aちゃん。可愛い〜」

「うっ…！」

可愛い、なんて…どうしてこんなにこの人は息を吐くように言えるんだ。

…いや、むしろ、これだけ言ってもらってるんだから、こちらも言わないと失礼…？

「…べ、ベッキョニオッパこそ、かっこいい、ですよ…？」

俯きながらチラリとオッパの方を見ると、驚いた顔をしていた。

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