リナリアに苦悶する 6 (ページ14)

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263.ご来店ページ14

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「ふわぁ…」

朝、目が覚めてあくびをしながら、何時か確認するために体を起こそうとすると、ちょっと体が動かしづらくて。

ぼんやりした視界を凝らして見ると、セフンさんの腕が、私の体の上に乗っていた。

まるで、私を抱きしめていた腕が少し解けたようで…

「セフンさん…！」

最近ぎこちない関係性だったせいで、物凄く嬉しい。

この腕を退けたくない…と思いつつ時計を見ると、もうバイトに行く準備をしなきゃいけない時間で。

名残惜しいけれど…そっと退ける。

なんか…嫌われたのかと思ってたから、めちゃくちゃ嬉しいし、安心した。

上機嫌なまま、バイトに向かった。

「おはようございまーす！」

「あ、おはよう、Aちゃん。今日はご機嫌だね。良い事あったの？」

「はい！」

「はは、なんか安心するよ、Aちゃんの笑顔」

ちょっと茶化されながらも、悪い気にはならず、そのまま上機嫌に開店前の準備を終わらせる。

「Aちゃん、看板よろしく」

「はーい！」

今日はいつも以上にバイト頑張れそうな気がする…！なんて思いながら、看板をOPENにしようとドアを開けると。

「あ、開店ですか〜？」

聞き覚えのある声が上から響いてきて、パッと顔を上げる…

「べ、ベッキョニオッパ…！」

にこにこと笑う、ベッキョニオッパの姿…

なんか久しぶりな気がする。

最後に会ったのは…

『Aちゃん、ずっと言ってるけど、俺は、Aちゃんのことが好きだよ』

『Aちゃんは？俺のこと、好き？』

「…どうしたの？急に顔真っ赤にして」

「え！？あ、あはは…」

ヤバいヤバい、思い出したら、ダメだ…ベッキョニオッパの顔、見れなくなっちゃう…！

「…分かるよ、言ってあげよっか」

「へ…？」

ニヤリ、とオッパが笑って、嫌な予感がして後退りしようとすると、オッパも一緒にこちらに寄って屈んできて。

「思い出したんでしょ、あの遊園地デート♡」

そう囁かれた耳から、熱がぶわあっと全身に広がっていった。

「あ…あ…あばば…」

「ぷっ…！あばば、って何？あははっ！かわいー！」

揶揄うように笑うベッキョニオッパ…よくそんな風に笑えますね…！！

「…あの、すみません、うちの店員を困らせないでいただけないでしょうか。店前で、ほかのお客様のご迷惑にもなりますし」

そのミンソギオッパの助けが無ければ、私はどうなっていたことか…。

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