リナリアに苦悶する 6 (ページ11)

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260.攻めるからなページ11

＜ベッキョン＞

『…Aの初恋人になれるチャンス、俺にも欲しいもん…』

…いや、マジで、それは、知るか。

知らない。

ほんと、とことんわがままな奴…でもなんか憎めないのが、悔しくはあるけども。

でも、気持ち的にAちゃんにアプローチしやすくなるわけだ。

セフンに邪魔されることを、気にせずに。

「…じゃあ俺、攻めるからな」

『…お好きにどうぞ』

余裕そうだなぁ、セフン…知ってるか分かんないけど、俺はAちゃんのファーストキスを奪った男なんだぞ…！？

『俺からも言ってみるよ。Aに、ベッキョニヒョンと付き合ってみたらどうかって』

「…は」

『A、ベッキョニヒョンのこと好きになったみたいだし』

「…は」

『勝率高いかもね』

「…2点ほどよろしいか」

俺は、はぁ、とため息を吐く。

『どうぞ』

「…まず一点目」

セフンのペースに呑まれちゃダメだ、コイツに勝ちたいならな。

「お前は、Aちゃんに、俺と付き合え、なんて、絶対に言うな」

『…どうして？』

「馬鹿か！？！？お前なぁ…Aちゃんの恋心踏み躙ってんじゃねぇよ！！！」

『…と、いうと』

「Aちゃんはお前のこと好きなんだぞ！？恋してるんだぞ！！恋してる相手からなぁ、他の人と付き合った方がいい、なん、て…言われてみろ…」

いや、落ち着け、ビョンベッキョン。

言われてみろ、なんて言ってみても、セフンには…。

『…ごめん。分かんない…』

そもそもセフンには、恋してる相手、というのが存在し得ないんだから、想像なんてできないんだ。

「…悪かった。俺も、悪かったよ」

『ううん。しょうがないよ。とにかく、言わない方がいいわけね、ベッキョニヒョンと付き合え、とは』

「うん。Aちゃん、傷つくから…」

『…傷つけたくはない。分かった。で、2点目は？』

「あ、あぁ、2点目…」

2点目は…

“A、ベッキョニヒョンのこと好きになったみたいだし”

「その…Aちゃんが俺のことを好きになった、とは、どこ情報ですかね…」

『Aが、ミンソギヒョンにそう言って、ミンソギヒョンから、俺は聞いた』

「…え、推測じゃなくて、実際に言ってた…？Aちゃんが、俺を好きになったって…？」

『うん。ミンソギヒョンは嘘つくような人じゃないし。Aは、恋愛的に、ベッキョニヒョンのことも好きになったってさ』

…おぅ、まじか。

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