リナリアに苦悶する 6 (ページ1)

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250.なんで知ってんのページ1

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パタン、とドアが閉じ、呆気なく、ミンソギオッパは帰ってしまった。

恐る恐る横になっているセフンさんに近づくと…お酒の匂い。

半開きの口…可愛い…けど。

寝るまで酔っ払った姿なんて、見たことがなかった。

やっぱり…嫌なことが、あって…。

『情けないとか思わなくていい』

『情けないのも、醜いのも、俺の方だから』

そうセフンさんは言ってくれたけど、気を遣ってくれただけかもしれない。

寝室から布団を取ってきて、ふわりとセフンさんに被せる。

「…ごめんなさい」

そう言って、離れようとする、と。

ぎゅっと、右手が掴まれた。

びっくりして振り向くと、薄目を開けたセフンさん…。

「あやまるなってば…」

掠れた声で、セフンさんはそう言った。

「で、でも…」

「おれがわるいの…ぜぇんぶ！！」

聴いたことないような、とろんとしたような声で言う、セフンさん…これは、もしかして、まだ酔ってる…？

「あっ、あの、セフン、さん、お水、取ってきますねっ…！」

こんな姿初めて見るから戸惑ってしまって、一回退避してから接し方を考えようと思った、のに。

「ん、だめ…」

「わわっ！？」

ぎゅっと腕を引っ張られて、気づけば視界は真っ暗…あったかい…

ぎゅっと力が加わって、抱き締められていることに気付いた。

なんだか、久しぶりな気がする…落ち着く…。

「セフン、さん…大丈夫、ですか…？」

「ん〜…」

ちょっと腕の力が弱まったから、もぞもぞと顔を上げて、セフンさんの顔を覗く…お、思ったより近い…。

いつもより寄った綺麗な形の眉や、スラッとした鼻、小さめで可愛らしい唇、そして、いつもよりとろんとした目…

うぅ…心臓に悪い…。

「んふふ」

ついじっと見つめてしまっていると、ふわっと、セフンさんの表情が和らいだ。

「かわい…」

そう呟いたかと思えば。

ちゅっ…

「…え？」

「んふ♡」

…いや、んふ♡じゃないんですよ…。

い、今、確実に、キス…！？唇に、柔らかい感触！？！？！？

「な、な、…っ…！？」

顔の温度がどんどん上がってくのを感じる…だめだ、酔ってるセフンさん、ヤバい…

「べっきょによんと、どっちが、よかった？」

…ヤバい。

「へ……な…なんで、知っ…！？！？！？」

私、言ってないよね！？！？言うはずないし…

なんで、私がベッキョニオッパとキスしたの、セフンさんが知ってるわけ！？！？

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