リナリアに苦悶する (ページ43)

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42.皮肉なことにページ43

＜ベッキョン＞

『俺には、Aに対して女としての喜びを与えられません』

『そんな…』

Aちゃんは、セフンに女として見てほしいって思ってるのに…

そんな皮肉なことがあるか…。

『それに、もし将来子どもが欲しいってなっても、俺たたないからできないし。どうなんですか？セックスって幸せなの？』

『え…う、うん、まぁ…好きな人とだったら、肉体的にも精神的にも満たされるよ…？』

『…俺には、それを満たしてあげることができないんです』

…それは…なんとも、複雑な問題だ…。

『そもそも、俺のAに対する感情が恋愛的なのかも分かんないし』

『…ほう…』

『…こんな相談屋、なんてやっといて、情けないですけど。だからこそ、なかなかこのこと、人に言えなかったんですよねー』

『な、なんで俺を選んでくれたの…？』

『だって…恋愛経験豊富そうだし、Aと…仲良さそうにしてたしー』

ジトッとした目で見てくるセフン…やっぱ嫉妬しまくりだな、この人。

『Aの気持ち…俺から直接は聞きにくくて。俺としては、今の関係でも心地いいんですけど…Aは、どうやら先に進みたいみたいだし』

セフンは困ったように笑う。

『俺に、期待しすぎなんですよ、あの子。他に幸せにしてくれる人がいるかもしれないのに』

『そんな…Aちゃんは、ただ純粋にセフンのことが…』

『…それが、俺には共感できないって言ってるんですよ。俺には分からないから、Aに直接聞くことなんてできなくて』

なるほど、と、少しだけ納得できる気がする。

『えっと、つまり…？』

『Aに、セックスに興味あるか聞いてくれません？』

『…へ！？』

…セフンは、さっきも急すぎて…平然とした顔でそんなことを言うから、ホント、何を考えてるか分からない。

『い、いや、セフン、落ち着いて。愛の形は、なにもセックスだけじゃないんだよ…？』

『分かってますよ、そんなの。でもAって処女だし。そういうことに興味あるんなら、他の人の方がいいかと』

俺は、頭を抱えた。

そうじゃ…そうじゃないはず…Aちゃんはセフンの人柄が好きで、そういうことをしたいわけじゃ…。

『…もし、したいって言ったら、どうするの…？』

『その時はその時ですね。他の男の方が、Aを幸せにできるなら…恋愛相手は俺じゃない方が、いいと思ってるし』

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