リナリアに苦悶する (ページ40)

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39.何事も経験ページ40

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事務所に帰って鏡で自分をちゃんと見たジョンインさんは、少し表情が明るくなって。

「ありがとうございました。見た目が変わって…なんか、中身も変われそうな気が、します…ありがとうございました！」

爽やかに笑って、帰って行った。

「んー、なんか良かったねー。楽に解決できてよかった！ふわぁ…Aちゃん、膝枕」

「あ、あの、トイレ行ってきます…」

「？…うん、わかった」

私の方は、解決できていないことがある。

それは…

「や、やっぱり…」

ジョンインさんにもらったネックレスの箱…セフンさんに見つかったらとやかく言われそうだから、服の中に隠してたんだけど。

改めてトイレの中に籠って見てみると…電話番号とメールアドレスが書いてある紙が入っていた。

…おかしいと思ったんだ。

食事のお誘いはされたけど、連絡先は聞かれてないから。

こ、この紙、どうしよう…というか、食事のお誘いってことは、私に気が…？

うぅ、胃が痛い。

ドラマとかで気に入った女性を食事に誘う男性を見たことあるけどこんなことされたの初めてだし何より大人扱いされた感じでこのネックレスも大人っぽくて素敵で…うぅ…。

でも私はセフンさん一筋だから！！

…いや、断るのも気が引けるし、ネックレスまで貰っといて何も言わずに無視するのも心苦しいし…。

ジョンインさん、ずるいぞ、あの人。

こういう時は…えぇい！！

「恋愛マスタービョンベッキョンソンセンニム！！！！！」

『うるさいよ、Aちゃん…セフンに聞こえるよ？』

「あ…」

取り急ぎ、トイレの中で恋愛の師匠ビョンベッキョン先生に電話で相談することにした。

『で、どうしたの、Aちゃん』

「あ、あの…男性が女性を食事に誘う心理とは？」

『…そんなん、決まってるじゃん。気があるからだよ』

「…ですよねー。それ一択ですか？」

『一択だね！！』

「…です、よね…」

『なに、やっとセフンに食事誘ってもらえた、とか！？』

…残念ながら、違います。

「セフンさんそんなことしませんから」

『…なんかごめん。じ、じゃあ、他の人ってこと…？』

「そうなんですよ…電話番号とメールアドレス書いた紙とネックレス渡されて…どうしましょう…」

『そ、そりゃあ相当本気だね…まぁ、行ってみるのもいいんじゃない？』

「え？」

『セフンと他の男性との違いとか、学べるかもよ。何事も経験だよー』

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