30.恋愛的に…？ ページ31
＜ベッキョン＞
「…ふーん」
セフンは机の上に置いていた写真を集める。
「よっぽど好きだったんだね、この人のこと」
「…そう、だよ」
…惨め、とでも言いたいのか？
浮気されてるとも知らず、気づかず。
健気に俺の方が何か悪かったんじゃないかと自分を責めていた俺が、滑稽だとでも？
少し腹が立って、イライラしてきた。
その一方で、セフンは表情１つ崩すことなく、真顔を貫く。
「…俺は、分からない」
セフンは写真をぼーっと見つめる。
「こんなに愛されてるのに、他の男に手を出す女が、理解できない」
…え？
「そ、そっち…？」
俺が、じゃなくて、彼女のことが、理解できない…？
俺のことをバカにしたいんじゃないのか…？
ほんと、この男は分からない。
そのクールな表情からは、何も伺えない。
なんだか、不意を疲れた感じで、少し冷静になる。
…冷静に、なって。
『こんなに愛されてるのに、他の男に手を出す女が、理解できない』
その言葉を、もう一度反芻すると。
「…今のって…Aちゃんの、こと…？」
そう言うと、セフンはびっくりしたような表情で俺を見る。
「…どうして」
「いや、なんとなく…」
セフンは、Aちゃんのことが大好きで、俺と仲良くしてることに嫉妬してるみたいだから…それと、なんだか重なった。
「あの…セフンは、Aちゃんのこと、どう思ってるの…？」
「…どうって？」
「えっと…好き…？」
「もちろん」
俺が恐る恐る聞いた割に、セフンははっきりと断言する…が。
「…それは、恋愛的に？」
そう聞くと…セフンは途端に、目が、泳ぎ始めた。
「…あの。ベッキョン、さん」
「は、はい、なんでしょう…」
途端に威圧感が消え、改まった様子になるセフン…なんだなんだ。
「ベッキョン、さんって…恋愛経験、豊富だったり、します…？」
…ん、どういう展開？
「えっと…それなりに…？」
「…俺に、恋愛について教えてもらっても…？」
…だから、どういう展開！？！？
セフンは、人よりも人生経験が多いから相談屋なんか開いてるって、Aちゃん言ってたけど！？
まさか、セフン、恋愛の経験は…！？
「…実は、ベッキョンさ…ベッキョニヒョン。俺............」
俺は、セフンから衝撃的な事実を告げられた。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月6日 22時
