28.布団に閉じこもって ページ29
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…セフンさんの機嫌が、悪すぎる。
「セフンさーん」
「…」
「はぁ…機嫌直してくださいよ…」
「…」
「お風呂ですか？一緒にお風呂入ればいいんですか？」
「…Aちゃんのばーか」
帰ってきて『…仲良くなったんだ』という呟きを聞いて以来無言だったセフンさん。
そのまま何も言わず晩ご飯を終えて真っ先にベッドに潜って行ってしまった。
なんでこんなに不機嫌なのか。
ベッキョニオッパが来てからずっとこんな感じ…ご機嫌取り、大変だ。
「セフンさん！私1人でお風呂入ってきますよ？いいですか？」
「…やだ」
「じゃあ一緒に入りますかっ！？」
セフンさんが体に巻き付けている白い布団を引っ張る。
「…やだ」
「どっちなんですか…」
「…やだ」
子どもかっ！！と、思わず突っ込みたくなる衝動を抑える。
…どうすればいいの、この白い塊。
「なにがそんなに気に食わないんですか？」
はぁ、とため息をつきながら、腕を組む。
「…俺のこともオッパって呼んで」
「な…」
それで、そんな不機嫌なの…？
「なんでベッキョンはオッパで俺はセフン”さん”なの。むかつく。しかも仲良くなってるし。Aは俺よりベッキョニオッパの方が良いんだーふーん。じゃあベッキョニオッパと一緒に新しい家で暮らせばー」
…卑屈。
「セフンさ…セフニオッパ」
そう呼んでみると、布団から少しだけ目が出る。
凛々しい眉毛が寄って、眉間に皺が出来ている。
「…”ベッキョニオッパよりセフニオッパの方が好きです”。はい、言って」
布団越しにもごもごと言うセフンさん…
…好き、なんて…そんな、軽々しく言いたくない、のに。
「…はやく言って。なんなの。ベッキョンさんの方が好きなの。Aちゃん嘘つけないもんねーそっかーふーん」
また頭のてっぺんまで布団で隠すセフンさん…ほんと、なんでこんなにめんどくさくなってしまったんだ。
「…ベッキョニオッパよりセフニオッパの方が好きです」
自分なりに、心を込めて、言ってみる。…本当のことだもん。
セフンさ、セフニオッパは、また目だけ布団から出す。
「…声が小さい。しかも迷いがある。もう一回」
…だから！！！
私の心の中、分かってないでしょ！？どれだけ複雑な想いを抱いてると思って…！！
「ベッキョニオッパよりセフニオッパの方が好きです！！！」
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月6日 22時
