18.恋愛マスター ページ19
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「…つまり、女として見られたい、ってこと？」
「は、はい、そうなんです…」
「うーん、なるほどねぇ〜…」
目の前には、腕を組んで、うーん、と考えるベッキョンさん。
ここは事務所のソファ…ベッキョンさんが座るのは、いつもセフンさんが座る方の椅子で、私が座ってるのはお客さんが座る方の椅子…
…逆じゃん、絶対。
ベッキョンさんに、セフンさんについての相談に乗ってもらっているという…気づいたら、そういう流れになっていた。
「一緒に寝て、一緒にお風呂にまで入るって…ちょっと、びっくりしたな…」
「そう、ですよね…普通じゃないですよね…」
「うん。それで、何も無いんでしょ？」
「な、何もっ…！？」
何もって…その…そういうこと、の、こと、ですか…？
慌てる私に、ベッキョンさんは目を真ん丸にさせる。
「…もしかしてさ、Aちゃんって…経験、ない？」
「…な、なんの経験ですか」
「えぇっと…そもそも、男性とお付き合いしたことは…？」
聞きづらそうに言うベッキョンさん…い、痛いところを、突かれた…。
「…無い、です」
「えぇ、なんで！？」
ベッキョンさんは大きな声をだして組んでいた腕を解く。
「なんで、って、なんですか！？」
「だって…Aちゃん可愛いし、良い子そうだし…あと23歳でしょ？1回くらいあると思ってた…」
うっ…痛い…心が痛い…。
「ご、ごめんごめん…傷つけちゃったかな…。それじゃ、尚更、この恋愛マスタービョンベッキョン先生が教えてあげないとね！」
「れ、恋愛マスター…」
確かに、ベッキョンさんってモテそうだし…色々と、教えてもらえるかも…。
「ってことで、住み込みでAちゃんに恋愛のいろはを教えてあげるので、ここに居候させてください！！」
うぅ…教えて、もらい、たい、けど…。
絶対、セフンさんは…
ガチャ
「うるさいんだけど…なに、客…？」
ちょうど、そのセフンさんが眠たそうな目を擦りながら事務所に入ってきて。
ベッキョンさんとその周りの荷物に気づいたのか、ピタッとその足を止める。
「…なんか邪魔なのが増えてるんだけど」
「セフンさん、失礼ですって…」
「あはは…ごめんねセフンくん、しばらくお邪魔させてもらうよ！」
「…は？」
にこにこしているベッキョンさんを見て、ゆっくりと私の方に顔を向けるセフンさん…
…その目、やめてください…。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月6日 22時
