10.笑った方がいいよ ページ11
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「…あれれ。セフンくん、拗ねちゃった？追いかけなくていいの？」
「あぁやれば、私が慰めに来てくれると思ってるんです。だからほっといて大丈夫です。まったく、自分勝手なんだから…」
「あ、あはは〜仲良んだか悪いんだか…」
ベッキョンさんは苦笑いする。
まったく…困ってる人を追い返そうとするなんて…相談屋失格だ。
…いや、そもそも相談屋に資格なんてないけど。
事務所の方の部屋に移動し、何かすることがあるわけでもなく、とりあえず2人で来客用のソファに座る。
ベッキョンさんは落ち着きなく、興味深そうにキョロキョロと部屋を見回している。
…かと思えば。
「2人はさ、付き合ってんの？」
「…ふぇ？」
キラキラとした目で突然そんなことを言ってくるから…ものすごく気持ち悪い声が出てしまい、慌てて口を押さえる。
「あははっ！いやぁ、気になっちゃってさ！こんな狭い所に一つ屋根の下男女2人きりって…もう色々あんなことやこんなことしててもおかしくないよね〜」
「あ、あんなことやこんなこと…！！」
平然と言い放つベッキョンさんに、ボンッ、と自分の顔が赤くなるのを感じる。
「ははっ、ほんと顔に出やすいんだね、Aちゃんって！かわいい〜」
「か、かわっ…！？」
…だめだ、この人、私の気持ちを翻弄して楽しんでる。
「べ、ベッキョンさんは、人の恋愛より自分の恋愛の方を気にした方がいいんじゃないですかっ！！！」
「うっ…いってぇ！！痛いところ突かれたぁ！！」
心臓のあたりを抑えてわざとらしく苦しむ演技をするベッキョンさん…
「ふふっ…」
なんだかその様子が面白おかしくて、つい吹き出してしまう。
「あ、やっと笑った！笑顔かわいいね。女の子の武器は笑顔なんだからさ、もっと笑った方がいいよ」
つんつん、と自分のほっぺを突きながらにっこり笑うベッキョンさん…
こういう人を、モテるって言うんだな、たぶん。
「…そうですよね、なんかカリカリしてばっかりかもしれないです…」
「あらら。それは…セフンくんとのことで？」
「まぁ…」
「そっかぁ〜恋愛ってさ、難しいよね〜」
そう言いながら、んーっ、と伸びをするベッキョンさん…は、腕を上に上げた状態で、ピタッと止まった。
「どうしたんですか？」
「…あれ」
ベッキョンさんの目線の先を見ると…
「…はぁ、セフンさん」
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月6日 22時
