36.思いがけずデート ページ37
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セフンさんは、美容師さんにジョンインさんの髪型について説明し。
「じゃ、30分後に…そーだな…ショッピングモールの入り口の大きいオブジェの前集合で。じゃ」
ジョンインさんにそう告げると、私の手を引いて、さっさと1000円カットのお店を出た…
ん、待てよ。
「ふーっ！初めてだね、Aと2人きりでショッピングモールに来るなんて！」
ジョンインさんから離れて、解放されたようにふにゃっと笑うセフンさん…
「…そう、ですね」
そう、ですよね…これ…あの…
デートでは！？
好きな人と、2人きりで、ショッピングモール、しかも握られた手…これは、デートでしょ。うん。
「お金無いからウィンドウショッピングだけどね〜。どこ見て回りたい？」
周りから見たら、カップル、とか思われるのかな…。
「あ、あのワンピース可愛いね！Aに似合いそう！」
「え、ちょ、セフンさん！」
私の手を引いてお店の中に入っていくセフンさん…まったく、もう。
2人になると、いつもマイペースで強引なんだから…それが、いいんだけど…。
「これ、良くない？Aにぴったり！」
そう言いながらセフンさんが私の体に当ててきたワンピース…
セーラー服を普段着に落とし込んだようなデザインで…いや、でもまだちょっと犯罪の匂いするというか…。
ていうか、やっぱり…
子どもっぽい！！
「い、いやです！！」
「え〜なんで〜…似合うと思ったのにー」
…あぁ、子ども扱いされてるみたいで一気に気分が落ち込んだ。
結局そうだよね。
ワンピースが置いてある棚のすぐ隣にあった鏡を見る。
…スタイルが良くて大人っぽくてかっこいいセフンさんの横に立つ私は。
背も低いし服も若すぎるし、なにかと子どもっぽくて。
カップルというより…兄妹？下手したら…親子！？
なんて。
「…Aちゃん、どうしたの？」
不思議そうな顔をしたセフンさんと、鏡越しに目が合う。
「いや…なんでもないです。他のお店、行きましょう」
「…うん」
私はただひたすらにセフンさんの手を引っ張った。
「A、どこに向かってんの？」
「え？い、いや…特には…」
ただ、現実を映してくる鏡から離れたくて…それだけ考えて、歩いていた。
「歩き疲れてない？ちょっと座ろうよ」
「…はい、そうですね」
近くにあったベンチに並んで座る。
せっかくデートだって浮かれてたのにな…。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月6日 22時
