301.愛されるのは、た ページ10
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セフンが、入ってくる。
「ミンソギ、ヒョン…」
「セフナ…しっかりした顔に、なったな…」
「覚悟、したんだ。父親になること」
「そうか…良い顔だ…」
「あんたが、育ててくれたんだ、一から、俺を」
「小さくて、可愛かったなぁ…」
「ふに、立派に、なったろ？」
「ふに、か…あぁ…こんなに、大きくなって…」
「俺…Aを、愛してるんだ」
「知ってるさ。ずっと、ずっと…お前はAに、報われない恋を、し続けた…」
「知ってたんだね、やっぱり」
「15年も…1人の女を愛し続けるなんてな…」
「ミンソギヒョンはもっと長いでしょ」
「はは…そうだなぁ…」
「幸せに、するよ。Aと、お腹の中の、子ども」
「うん…見たかったなぁ…子どもの、顔…」
「俺とAの子だ。きっと可愛いよ」
「うんうん…そうだろうね…」
「俺の次…誰？チャニョリヒョン？」
「あぁ…最後だ、チャニョルが」
「…分かったよ。呼んでくる」
セフンはしっかりとした表情で部屋を出る。
そして、戸惑いながらチャニョルが入ってきた。
「お、俺なんかが、最後で…いいんですか…？」
「あぁ…」
「母さんとは…話、できました？」
「あぁ…したよ。チャニョル…お前はやっぱり、Aに似てるよ…」
「はは…あんまり、言われないんですけどね…」
「あったよ」
「え？」
「『私を愛してくれたという過去は変わりません、変わらない愛はあります』だと…あったよ、変わらない愛は…俺が、ずっと、囚われてきた過去に…」
「ミンソクさん…」
「記憶が無くなっても…俺がAを愛したという過去は、変わらずにあるんだ…」
ミンソクは、ポケットからあるものを取り出す。
「これで…俺の記憶を、無くしてくれ…」
「え…？」
「嫌なんだ…」
「なに、が…」
「俺の中から、人を愛した記憶を、消して欲しい…俺が死んで、みんなが悲しむと思うと…嫌なんだ。安心して、死にたいんだ…」
「む、むり、です…」
「どうしてだ…」
「人を愛するというのは、自由です…真っ直ぐに、人の目なんか気にしない…みんなが悲しむから、なんて…そんなの、いいんです。ミンソクさんは、どうしたいんですか…」
ミンソクは、少しだけ、目を、開ける。
「俺は…」
ミンソクは、笑う。
「人に愛されるのは、た…大変、だなぁ…心安らかに、逝けも、しない…」
「ミンソクさん！！！」
グラッと、ミンソクの身が揺らいだ。
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una - 毎回楽しく小説を拝見させていただいてます！アムネシアを枯らすなの続編も楽しみにしてます！ (2020年8月13日 23時) (
レス) id: b889b9dd93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年8月11日 22時
