桔梗を探して 7 (ページ46)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:28,883 hit

-14.… ページ46

＜ギョンス＞

「どこだどこだ～？」

「引き出しの中かな？」

「分かってないな、ジョンイナ！あぁいうのはベッドの周りなんだよ！」

「…はぁ。俺、知らないからな」

俺はため息を吐きながら、入り口のドアの前で3人を見る。

レイヒョン、ジョンイン、ジョンデ。

3人が、なぜかセフンの部屋の中に入っていくのを目撃して…気になって、来てみれば。

何かを探して、部屋を掻き乱している。

「いやぁ、あの反応、絶対買ってきてると思うんだけどな～」

「…何探してるの、レイヒョン」

「ん？オトナの本だよ！」

レイはそう言ってにっこりと笑う…オトナの、本。

「セフンは思春期だからね～買って来ててもおかしくないと思うんだよね～」

「ジョンデヒョン、そんなにすごいの？その本って」

「ジョンイナには刺激が強そうだな～」

…外の世界が19年と一番長いジョンデ…どうやら、余計なことを吹き込んだようだ。

俺も16年と長いから、知ってるけど。

「レイヒョンが興味あるの意外だったな」

「ん～？俺は本自体には興味無いよ。でもセフンが大人の階段登ってるのが面白くてさ～」

「…セフンに見つかって怒られても知らないぞ」

「ギョンスヒョン、大丈夫！セフンはAの部屋に入っていくところ見たから！あー、でもAの部屋、スホヒョンいたからなー…」

…俺は知らないぞ。

そう思って、部屋を出ようとすると。

「お、あった！！」

ジョンデのよく通る声に驚いてつい振り返ると、ジョンデは枕の下に手を入れていた。

「…いくぞ」

ジョンデはレイヒョンとジョンインと目を合わせて…

枕の下の物を、取り出す…

「…あれ」

それはどうやら、期待していたようなものでは無かったらしい。

「ジョンデヒョン、これが、オトナの本ってやつ？」

ジョンインが不思議そうに見るそれは…？

「…いや、ただの恋愛漫画…ぷっ！！」

ジョンデが盛大に吹き出す。

恋愛漫画、か…セフンも、恋愛に興味があるみたいだからな。

「これを必死に隠してたのかぁ！可愛いな、セフン！」

「えー、なんだ。ちょっと期待はずれ」

レイヒョンはそう言いながらパラパラと漫画をめくる。

「わぁ、すごい、何この世界…」

ジョンインがそれを見て目を輝かせるから…俺も少し気になって、近づいてみる。

そこには、懐かしい景色が広がっていた。

レイヒョンやジョンインたちにとっては、知らない世界なんだろうな。

.