桔梗を探して 7 (ページ38)

今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:28,889 hit

-6.… ページ38

＜ミンソク＞

…まったく…。

食堂から戻り、監視室でカメラの映像を見る。

レイの部屋だけ…勘付かれて、見れないけど。

スホの部屋を見る…Aと楽しそうに１つの本を読んでいる。

…なんで、だろうな。

スホが1人でいるのを見ると…なんだか、少し胸が苦しくなるんだ。

彼は独りになりたがる…まるで、俺みたいだ。

共同スペースで3人が何やら話して、スホの部屋に行き、Aを連れて出るのを見て…可哀想だと、思った。

なんで、だろうな…

それは、スホが、俺の…

俺は、気付かない、フリをする。

＜セフン＞

スホヒョンからAを奪い返す作戦は、ミンソギヒョンの介入によって失敗したけど…

俺には、１つ気になることがあって。

「…ね、ねぇ、スホヒョン。結局、Aのとっておきの情報って、なんだったの」

こっそり、後日聞いてみた。

「…あぁ。それか」

スホヒョンは、キョロキョロと周りを見回して…誰もいないことを確認すると、ニヤッと笑う。

「セフン、よく、Aをお嫁さんにしたいって言ってたろ」

「ばっ…そ、そんなの、小さい頃の話で…っ！！」

…いや、今でも…ほんとは…思ってる…

「ったく…素直じゃないんだから…。でね、セフン。A、今16才だろ？」

「う、うん、それが…？」

「結婚、できるぞ」

「…へ？」

俺は最高にバカな声を出した。

「け、け、け、け、け、結婚！？！？」

俺には、その概念がよく分かんないけど…結婚したら、お嫁さんになるんだって…本で読んだ。

「声がおっきいよ…そう。外の世界では、女の子は16才になったら結婚できるんだ」

「へ、へぇ、そうなんだ～…それが？」

「だから、Aは結婚できるんだって」

Aと、結婚…し、したい…。

「ちなみに、男は18才からだぞ」

…え。

「…俺、まだAと結婚できないじゃん…」

なんだよ…がっかり…

「ほら、やっぱり結婚したいんじゃないか！」

「あ…ばっ、いや、事実を言っただけだから！！！」

し、しまった…スホヒョンにからかわれる…

ん、待てよ。

「スホヒョン、18才で結婚できるってことは…」

「うん。俺だけ、Aと結婚できる」

「…は！？！？」

勝ち誇ったように笑うスホヒョン…

俺のA奪還作戦は、どうやらまだまだ終わらないらしい…

姫奪還大作戦!!!編完

.