253.レバー多めで ページ9
＜ギョンス＞
「んー！おいし！カルビ！」
「A、若いな、カルビが美味しいと思えるなんて」
「ギョンスヒョン食べれないんですかー？」
「ジョンイン、ほら、肉だぞ」
「ちょ、焦げまくってる！」
「やめろよギョンス！焦げ食べたら癌になるぞ！」
喋っているのは、主にAとジョンインとジョンデと俺。
チャニョルとベッキョンは2人で歌っていて、もはやBGM的扱い。
レイヒョンはにこにこ笑って俺たちを見てるだけ。
スホヒョンは座って黙ってちびちびと酒を嗜んでいる。
セフンはずっと心配そうにAを見ている…
「セフナ、これ」
「あぁ…ありがとうギョンスヒョン」
「ちゃんと食べてるか？」
「うん…」
「嘘つけ！Aが心配なんだろ！」
「ま、まぁ…」
ジョンデが言うと、セフンは苦笑いした。
「間違えてお酒飲んじゃわないかとか、偏ったものばかり食べてないかとか…」
ボソボソと言うセフン…つまり、心配なんだろ、
Aと、お腹の子どものことが。
父親になる覚悟を…セフンはしたのかな。
「野菜も食べろよ、A」
「わかってるよ、セフナ！あ、ナス！」
「ナスと肉ばっかり…キャベツも食べろ」
「あー！キャベツで隠れた！今食べようとしてた肉！」
「え、ご、ごめん…これ？」
「うん！」
箸で肉を拾って、そのままAに食べさせるセフン…まるで、カップル…
いや、カップル、なのか…？
それにしても、セフンは変わった。
少し…Aに甘くなった。
「ミンソギヒョン、遅いですね…」
ジョンインがふと呟く。
「あぁ…見てくるよ」
レイヒョンが立ち上がる。
「待て、レイ。俺も行く」
スホヒョンも立ち上がる…スホヒョンがレイヒョンについて行こうとするなんて、珍しい。
「あ、待ってスホ、レイ！オッパにも持っていってあげて」
「A、俺が取るから座ってろ。何がいい？」
セフンがトングと皿を持つ。
「レバー多め！」
「レバー…？ミンソギヒョンってレバー好きだったっけ」
そう言いながらもレバーを取って皿に盛るセフン。
レイヒョンは、Aをじっと真顔で見つめている。
「セフン、もらうよ」
「うん、よろしく」
セフンがレバー多めに盛った皿をスホヒョンが受け取る。
「レイ、行くぞ」
「…うん」
レイヒョンはAを見ながら返事をし、体の向きを変えてスホヒョンと家に入っていった。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年8月8日 21時
