桔梗を探して 6 (ページ7)

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251.ふたりはヤケ酒ページ7

＜チャニョル＞

「…あー…俺やっぱ帰ろっかな」

俺以外のみんなが笑ってる中…フードを被った男が現れた。

「あ、ベッキョナ！」

Aが手を振る。

「バーベキューかぁ～あんまいい思い出ねぇな～帰ろっかな～」

ベッキョンはポケットに手を突っ込んで、そう言いながらもこっちに歩いてくる。

「ベッキョン酔っ払って運ぶの大変だったもんな！」

ジョンデがからかうように言う。

「ベッキョン、せっかくだから食べけよ」

「…スホヒョンが言うなら食べてこーっと」

ベッキョンは棒読みで言うと、缶ビールを２つ拾って俺に近づいてくる。

「チャ～ニョル！」

ベッキョンは俺の肩に手を回してきた。

「な、なんだよ…」

「はい！」

ベッキョンは缶の１つを俺に持たせてくる。

「失恋した者同士、仲良くやろうぜ！かんぱーい！」

カンッ、と缶をぶつけてくると、パシュッと音がして、ベッキョンはビールを飲み始めた。

「おいベッキョン、勝手に始めるな」

「ミンソギヒョンまだ来てないだろ！！」

スホヒョンとジョンデが止める。

「ヤケ酒だぁ！ほら、チャニョルも飲めよ！！」

「え？いや…」

「いいから飲めって！！」

「ちょ、んっ！」

無理やり缶を押しつけてくるベッキョン。つい飲んでしまう。

苦いビールの味が口に広がる。

ベッキョンは…無理に笑ってる感じがする…

でも…そうしないと、やってらんないよな。

「はぁ…そうだな！飲も、ベッキョン！」

俺も渡された缶をパシュッと開ける。

「バカチャニョル！ベッキョンに乗ったら終わりだぞ…」

ギョンスが呆れた声を出す。

「運ぶの大変なんだから…ほどほどにしてくださいね！」

ジョンインはそう言いながら俺に笑う。

「うん！」

飲まなきゃやってらんない！

…って、ベッキョン、失恋した者同士って言った？

やっぱり、ベッキョンも…。

「ミンソギヒョン遅いな…」

ギョンスが呟く。

「あー…俺呼んでくるよ」

「お願いします」

レイさんは頷いて、家の中に入っていった。

「え、ミンソギヒョン来るまでみんな始めないの？」

「当たり前だろ、ベッキョン。まったく…」

ギョンスは呆れながらみんなにお酒を配っている。

「私も飲みたい…」

「絶対ダメだ」

Aは座らされていて、隣にはぴったりとセフンがいる。

…セフン、しっかりした顔つきになったな。

俺はグビッとビールを飲んだ。

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