桔梗を探して 6 (ページ38)

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281.はじめてのカレー作りページ38

＜ギョンス＞

「これが、スホ！」

「美味しそうだな…ありがとう」

「これが、レイ！」

「わぁ、すごいね、A…」

「これが、セフナ！」

「怪我なく作れてよかった…」

「これが、ベッキョナ！」

「やったー！俺だけ隠し味に愛情入れ、」

「これが、ギョンス！」

「うん、お疲れ様、A」

「…え、無視？」

「ミンソギオッパまだかな…」

「A？無視？ねぇ、A、」

構って欲しそうなベッキョンは放っておいて。

「俺が呼んで行ってくるよ。Aの手料理なら…元気出して来るだろうし」

レイヒョンはふにゃっと笑って食堂を出て行った。

数分後。

「あ、ミンソギオッパ！」

少し…ふらついていて、レイヒョンに支えられている、ミンソギヒョン。

そんなに、だったのか…？

俺の知るミンソギヒョンは…元気でしっかりしてて、歳の割に若々しくて…

ずっと、隠してた…

「あぁ、Aが、作ったのか？」

ミンソギヒョンはカレーを見て、嬉しそうに笑う。

その顔は、真っ白で…少し、頬がこけているようにも見える。

意識して見ると…確かに。

なんで、気づかなかったんだろう、ってほどだ。

「うん！ギョンスに教えてもらったの！」

「そうか…楽しみだな。食べよう。いただきます」

「いただきます」

…あぁ、チャニョルと、ジョンデと、ジョンインがいないことには、触れないのか…

見てたの、かな、監視カメラで…。

「うん、美味しい！A、センスあるよ！」

「レイ、ほんと！？」

「うんうん。体調良ければ毎食ギョンスヒョンを手伝ってあげたら？」

「セフナ…うん！そうする！」

「はは…ちょっと、ご飯の時間遅くなっちゃうかもね」

「ギョンス…が、頑張って、邪魔にならないようにするから！」

「ちょっと不揃いな人参も、かわいいもんだな」

「スホ…上達できるよう頑張ります…」

「んー！俺のカレーが1番美味しい！俺のだけめっちゃ愛情こもってる！！」

「…」

「え、A、ベッキョンくんは無視？」

「あはは！！」

みんなが笑い出す…ミンソギヒョンも、笑ってる。

「A、フリが効いてる！完璧！」

「いぇーい！」

レイヒョンとAはハイタッチしてるし…はは、A、笑いのセンスもあるなんて。

ミンソギヒョンは…何も言わないけど、嬉しそうに、噛み締めるように食べてる。

…まるで娘の成長を喜ぶ、父親だ。

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