桔梗を探して 6 (ページ36)

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279.過保護で簡単な男たちページ36

＜ギョンス＞

「…見えなく、なったな」

スホヒョンが呟く。

「…A、心配か？」

「ちょっと…いや、信じてるから、大丈夫」

Aは微笑んでセフンを見た。

「うん、そうだね」

セフンはAに微笑み返す…うん、いいカップルだと思う。

俺も、信じよう。チャニョルと、ジョンデと、ジョンイン。

信じれる３人だ。

でも…

「なんでジョンデとジョンインだったんだ…？」

「おにーさんなら分かるんじゃなーい？」

俺が呟くと、ベッキョンが揶揄うような表情でスホヒョンを見た。

「…消去法だろ。Aは体を考えてダメだし、セフンはそれを支えなきゃいけない。ベッキョンは捕まる可能性があるし、俺とレイは体力的に問題がある。あと、ギョンスは…昼ご飯、作らないとだろ？」

スホヒョンはニヤッと俺を見て笑う。

そっか…さすがチャニョルだな。

「あ、お昼ご飯！お腹すいた！」

Aがお腹を押さえる。

「もう、そんな時間か…分かった。作ろう…あ、A」

「ん？」

『料理、Aに教えてやってくれないか』

ミンソギヒョンが、食堂を出る時にそう言っていた…あれは、Aがお母さんになるのを見越してのことだったのかな。

「体調が良ければ…料理、教えるぞ」

「え？」

Aはびっくりした顔をしている。

「ミンソギヒョンに、料理を教えてやってくれって言われてさ…」

「花嫁修行か、A！わー、Aの料理、楽しみ～！」

ベッキョンがはしゃぐ…一方。

「Aが…料理…包丁、持ったことあるの…？」

「手を切ってでもみろ…そんな、料理なんてさせるわけには…」

「火も使うでしょ！？火事を起こしたら…」

「レイ、スホ、セフナ…バカにしてる？」

Aはジトッと３人を睨む。

いや、バカにしてるんじゃなくて…

「心配なんだよ！そんな、料理なんて危険なことをさせるのが！」

危険って…セフン…レイヒョンとスホヒョンも頷いてるし…この３人、Aに対して過保護すぎるんだよな…。

「大丈夫！ちゃんとギョンスに教えてもらうし！…私のこと、信じられない…？」

「うっ…」

上目遣いに３人のことを見るA。

「俺はAを信じてるんでー！A、３人には作らなくていーよ！俺にだけ作って！」

「ちょ、ベッキョニヒョン、だめ！」

「ごめんごめん！俺にも作って！」

「し、信じてるからな、A！！」

簡単な、男たち…。

Aもそれをよく分かってるな…。

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