256.泣かせた張本人 ページ12
＜ジョンデ＞
「それがチャニョルのお気持ちねー、ふわぁ…」
ベッキョンは大あくびをする。
「やっぱノンアルコールしか飲んでなかったんですね、ベッキョニヒョン」
ジョンインはベッキョンをジトッと睨む。
「うん、まぁねー楽しかった！久しぶりに歌えて！」
ジョンインに支えられたチャニョルを見ると…笑顔で、眠っていた。
「これ運べるかな…」
「ジョンイナ、ヒョンをこれって言わないの！」
俺はチャニョルをペチペチと叩く。
「…だめだな。ベッキョン、運ぶぞ」
「え、ジョンデ、なんで俺？」
「酒飲んでないだろー？ほら、足持って！」
「力無いよージョンイン運べよー」
「酔わせたのはベッキョニヒョンでしょ！」
ジョンインにはここにいて欲しい。Aとセフンの…アフターケアというか。
Aはセフンに抱き締められて、まだ泣いているようだ。
…ベッキョンも、これ以上ここに居たくないだろ。
「ジョンイナ、片付けを手伝ってくれ。力が必要だ」
ギョンスは、助け舟を出してくれる。
「食器よりチャニョルの方が重いのにー…」
ベッキョンはぶつぶつ言いながらもチャニョルの足を持った。
俺もチャニョルの上半身を抱える。
「ベッキョン、行くよ」
「はいはい」
「あー…ドア開けづらいな…」
玄関を開けるのに困っていると。
ガチャ、とドアが開いて、スホヒョンとレイヒョンが出てきた。
「あらら…チャニョル、寝ちゃったの？」
「あぁ、レイヒョン…そうなんですよ」
レイヒョンはチャニョルの顔を覗く。
「遅かったですねー、2人とも！」
「ベッキョン…お前、ノンアルコールで酔う口かと思ったんだが」
「酔うわけないじゃないですか！バカなんですかスホヒョン！」
「ベッキョン、元気そうで安心したよ。…ジョンデ、もうお開きか？」
スホヒョンが俺の顔を見た。
「あぁ…一応」
「何かあったの？」
レイヒョンが柔らかく笑う。
「あー…えっと…」
なんて説明すればいいのやら。
「まぁレイヒョンもスホヒョンも行ってみたらいいですよーまぁまぁ地獄絵図なんで！」
ベッキョンは満面の笑みで言う。
「地獄絵図…ベッキョン、まさかお前、Aを泣かせたのか」
スホヒョンはジトッと睨む。
「俺じゃないですよ…コイツです」
ベッキョンが顎でチャニョルを示す。
Aを泣かせた張本人は…半目で口を開けて、アホ面で寝ていた。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年8月8日 21時
