桔梗を探して 3 (ページ9)

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105.はじめての相手ページ9

＜セフン＞

「はぁ…」

今日の朝は濃かった。

Aとチャニョルが食料庫に閉じ込められて…スホヒョンの過去を知って。

「今夜もよろしく、ねぇ…」

食料庫から知らない間にAとチャニョルが抜け出してたこと、ミンソギヒョンは全く追及しなかった。

無かったことにして、昨日までと変わらない生活を送ろうとしてるんだろう。

…あの人は、自分にとって不都合なことは、無かったことにする。

今日の朝の出来事も…レイヒョンの存在も。

レイヒョン…生きてたのか…。

『俺はAを抱けない。そんな気持ちで、抱きたくない』

『…そう』

俺とレイヒョンは…仲違いした。

ミンソギヒョンがAと俺たちに子作りをさせようとしていることに対しての意見が、分裂した。

レイヒョンは、絶対にAを抱きたくないと断固拒否。

俺は…欲に、負けた。

『セフナ、女はこうやって抱くんだよー、よく見ときな』

『あっ…んっ…べっきょな、こわい…なんか…だめ…っ』

『んー？大丈夫大丈夫。気持ちいいでしょー？』

『やっ、んっ、ああっ!!』

『あはは！いっちゃったの？はじめて？かわいいねぇー…』

ベッキョニヒョンがAのはじめてを奪った時…俺は、そこに居た。

…今考えても狂ってる。

ミンソギヒョンは、Aのはじめての相手に、この家に来たばかりのベッキョニヒョンを選んだ。

経験豊富だから、だそうだ。

俺は、Aが誰かに抱かれるなんて耐えられなくて。

『セフナ。見学するといいよ。どうやって抱くのか、勉強しなさい。レイは拒否したから…セフナが拒否したら、ベッキョンにしかお願いできなくなるなぁ…』

…今更、ミンソギヒョンは止められなかった。

『いたい…っ!!』

『くっ…きつ…あーあ…血出ちゃった…ほんとに処女だったんだね…よく今まで抱くの我慢できたな、セフナ…』

『いたいよ…べきょな…』

『だいじょーぶ…すぐ良くなるから…』

あの頃のベッキョニヒョンは、Aのことを、抱ける女、としか思ってなかった。

今は…違う。

逆に、ベッキョニヒョンは夜の相手を拒否するようになった。

俺は…ほぼ毎晩、相手をするようになった。

…正直、Aを抱けて…嬉しかった。

「はぁ…バカだよな、俺…」

俺には、レイヒョンみたいに確固たる意志なんかない。

…はじめて見たAの女の顔に…素直に、興奮してしまった。

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