桔梗を探して 3 (ページ7)

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103.柔らかくなったページ7

＜チャニョル＞

「…ベッキョニヒョンが行ってよ。1番図々しいじゃん」

「はぁ？やだよ！俺は優しいジョンデにお願いしたいなー」

「なんで俺！？ギョンスヤー…助けて…」

「俺に振るな！スホヒョンに振れよ」

「俺は1番ダメだろ。ジョンインは？」

「絶対に無理です。チャニョルさん、お願いします」

「むりむりむり！セフン！1番可愛がられてるでしょ！」

「いや、俺最近怪しまれてるから…やっぱベッキョニヒョンがいいって」

…こんな感じで、ずっとループしている。

何の話か、というと…

「もういい！私がミンソギオッパ呼びに行く！」

…食堂に来ないミンソクさんを、誰が呼びに行くか、という話である。

みんな行きたがらない…そりゃそうだ。

でもみんな、Aに振るのは避けていたのに…

「A…無理してない？自分を犠牲に、とか思ってない？」

「そんなこと言うならチャニョリヒョンが行けばいいじゃん」

「そうだそうだ！チャニョルが行け！」

「セフナ！ベッキョナ！…大丈夫。私が行くよ」

Aは俺に微笑んで席を立ち、食堂を出て行った。

「あー…かっこ悪い…」

俺は呟く。

「じゃあチャニョルが行けば良かっただろ」

スホさんがお茶を飲みながら言った。

「む、無理ですよ！！」

俺が言うと、スホさんはフッと笑った。

…なんか、やっぱり表情柔らかくなったな…

「あの…スホヒョン…なんかあったの？」

ジョンデが恐る恐る言う。

「ん？…まぁ…少し…自分の存在を、肯定できるようになった…かな」

そう言ってまたお茶を飲むスホさん。

「…遠回しなんだよなぁ、スホヒョンって！」

ベッキョンがまたスホさんに突っかかる。

…なんだかんだベッキョンって好きだよな、スホさんのこと…

というか、ベッキョンが食堂にいるの、初めて見た…

「そういえばベッキョン、さっき俺のこと呼び捨てにしたよな？」

今度はスホさんがベッキョンに突っかかる。

…楽しそう。俺も参加してみるか！

「してた！聞いた！『いいか、スホ！』って言ってた！」

「チャニョル！？お前、スホヒョンの味方なのか！？」

「ベッキョンをからかいたかっただけだよー！」

みんなも、けらけらと笑っている。

和気藹々としたムード…だった、けど。

「随分と、楽しそうだな」

食堂が、一気に凍りつく。

入り口を見ると、Aと手を繋いだミンソクさんが立っていた。

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