桔梗を探して 3 (ページ49)

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145.1番怖い住人ページ49

＜チャニョル＞

「ギョンスは、解放されました。ジョンインも、執着の呪いは解けました。レイさんが残してくれた、独立の誓いのおかげです」

「そうか…良かった…」

レイさんはホッとしたように笑った。

「ギョンスにチャニョルへの伝言を頼んだんだよ。ベッドの下は見たか、って」

「あぁ！ギョンスがそれを言ってくれたから、独立の誓いの存在を知ったんです！」

「…ギョンスは自分の勇気で、自分を救ったんだな」

レイさんはそう言って、Aが渡したパンを齧る。

…なるほどな。

「で、今日は、俺に会いにきただけ？」

レイさんが優しく笑いかける。

「…レイヒョン、」

「セフナ、お前また背が高くなったか？」

「え？いや…もう、意地悪しないでよ」

セフンとレイさんが笑い合う。仲良さそうだな、この2人。

セフンがここに来て23年、レイさんが20年だっけ。

「分かってるよ、セフナ。俺に聞きたいことがあるんだろ？」

「うん。ジョンデヒョンのことなんだけど」

「え、ジョンデ…？」

キョトンとする俺とは反対に…レイさんは、表情を変えない。

「うん。ジョンデが、何？」

「…ジョンデヒョンは本当に、服従の呪いをかけられてるの」

「え…」

セフンの言い方…質問、というよりは、確認、という感じだった。

「セフン、それって、どういう…」

セフンは俺の方を向いた。

「…俺は、ジョンデヒョンが1番怖い」

セフンはそう言って俯く。

「どうして…？」

ジョンデは…いつも爽やかな笑顔で、明るくて、優しくて…

俺は1度も彼を疑ったことは無い。

「俺が疑念を抱いたのは…3年前。ミンソギヒョンに、ベッキョニヒョンをこの家に連れてこい、って言われた時だ」

「ベッキョンを、連れてこい…？」

『ちょうど街に出てきてたセフンと出会って、俺の生い立ち話して…生きる場所無いならうちに来なよって』

以前ベッキョンはここに来た経緯について、たまたまセフンと会った、というような表現をしていた…けど。

「今までの住人は、俺やミンソギヒョンとたまたま出会ってここに来たケースが多い。でもベッキョニヒョンは、はっきり連れてこいって言われたんだ」

「それで…セフンは、それに従ったの…？」

「ちょうど…レイヒョンと仲違いした頃だった。ここから出るのを…諦めはじめていた時だったから」

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