桔梗を探して 3 (ページ40)

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136.呪いを解く方法ページ40

＜チャニョル＞

『もしもし』

凄みのある声だ。

「お久しぶりです、ドギョンスです」

『…本物か？』

「本物、です」

少し、怖いな。

『…嘘をつけ。ギョンスはそんなにアホそうな声じゃない。いたずら電話だな、切るぞ』

やばい、バレてる…！？

と、その時。

「俺の声、覚えてくれてたんですか」

本物のギョンスが、意を決したように喋り出した。

『…ギョンス』

「父さん…」

ギョンスは目を潤ませる。

『…今度は、本物だな。生きてたのか』

「うん。生きてるよ」

『そうか……良かった』

小さい声だけど…はっきり、聞こえた。

「え…」

『心配、したぞ』

言い慣れてないのか、声の主はたどたどしい口調で言った。

「そんな…俺…家飛び出して…出来損ないの息子で…」

『息子だろ。お前は俺の』

ぶわぁ、っと、ギョンスの目から涙が溢れる。

『なんだ、怒ってると思ったのか』

「俺のこと…殺すのかなって…」

『あっはっは！！なんでだ！実の息子殺す父親なんかそうそういないだろ！！』

「父さん…」

『ギョンス、今どこにいる』

「人の家で…お世話になってるよ」

『そうか…楽しいか』

「楽、しい…」

『なんだ、辛いことでもあるのか』

「えっ、と…」

ギョンスは俺を見る。

「すみません、お父さん。さっき騙して。ギョンスくんの友達の、パクチャニョルです」

『友達…ギョンスに友達がいるのか！』

「はい！ギョンスくんすっごく優しくて…いつもお世話になってます！」

『こちらこそ、息子がお世話になってます』

…やっぱり、いいお父さんじゃないか。

「あの、いきなりですみません。実は…服従の呪いについて、お話を伺いたくて」

『服従の、呪い…』

「はい。色々あって…ギョンス、服従の呪いの中毒にさせられてるんです」

『なんだと！？』

「お父さん、服従の呪いを解く方法、ご存知ないですか？」

『…独立の誓い、というヤクを知ってるか』

「独立の誓い！？」

俺はベッキョンを見る。

ベッキョンも起き上がって、びっくりした目で俺を見ていた。

『あぁ。その薬は全ての呪いシリーズの麻薬の解毒剤のような役割を果たすんだ』

そう、だったのか…

「ジョンイナが持ってる。それを飲まそう」

ベッキョンが言う。

「…解放、されるのか…？」

ギョンスは力が抜けたように、床に崩れ落ちた。

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