桔梗を探して 3 (ページ26)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:43,644 hit

122.バカな弟のおかげページ26

＜ベッキョン＞

「セフンの猶予って、なに」

「あぁ…1ヶ月以内にAが妊娠しないなら、あの人はセフンを愛せなくなるらしい」

「…なんだ、それ」

「変わらない愛などない。それがあの人の口癖だよ」

「レイヒョンみたいに、地下室に閉じ込められるってこと？」

「どうだろう。地下室は１つしか無いはずだ」

「ミンソクの息子でしょ、あんた。父親の考えてることわかんないのー？」

スホは少し目を開いてから俯いた。

「…レイを、殺して、セフンを、地下室に…」

「は？」

「あの人なら…そんなことを考えるかもしれない」

「レイヒョンを…殺す…」

「レイなら、ここから脱出する最善の方法を導けるかもしれない。失うのは辛い」

「…そうだね」

スホは立ち上がった。

「1ヶ月。善処してくれ。俺もなんとかギョンスとジョンデを救う方法を探る」

「はぁ…分かったよ。色々、やってみる、けど」

「ん？」

「どうして、急に証言する、なんて言い出したの？」

俺はにこっと笑って聞いてみる。

まぁ、なんとなく分かるけど。

「…バカな弟のおかげだよ。感謝しろ」

スホはそう言って部屋を出て行った。

…さて。

服従の呪いを解くこと。

最難関の課題だ。

執着の呪いみたいに解毒剤があればな…。

あ、そういえばジョンインはどうなったんだろう。

俺は自室を出て、ジョンインの部屋に向かう。

トントン、とノックをして、返事が聞こえる前にドアを開ける。

「あぁ、ベッキョニヒョン…」

…聞かなくても分かる。

ジョンインの手は、震えている。

「やっぱり…」

はぁ、とため息をついて、ジョンインの手を引っ張って俺の部屋に来させる。

「ねぇ、ヒョン…俺も、食事取れないってこと…？」

「そーだね。執着の呪いは一回服用しただけじゃ中毒にはならないから、独立の誓いは飲まなくてだいじょーぶ。まぁ一応捨てずには取っておきなー」

俺は自分のベッドにダイブする。

「そんな…！俺ベッキョニヒョンみたいに食事我慢できないよ…」

「ジョンイナは食いしん坊だからなー。…まぁ、食事ちゃんと取ってまた中毒になって、ここから出るってなった時に独立の誓いを飲むっていうのもいいかもねー」

そう言うと、ジョンインは悩むような表情をした。

「…Aと、チャニョリヒョンの恋の邪魔、したくない…」

あ、そっか。

俺としては是非邪魔していただきたいですけども！

.