桔梗を探して 3 (ページ14)

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110.執着の呪いページ14

＜チャニョル＞

…なんだろう、この水色の粉は…。

「…もしかして、ヤバいやつ？」

なんでレイさんはこれを部屋に残したんだ…。

初めにこの部屋で見つけたのは、少女のAの写真と”この子を助けてやってくれ”の紙。

次に見つけたのは、食糧庫の鍵。

そして…水色の、粉。

わざわざレイさんがこの部屋に残したんだ。

きっと、なにか意味があるはず。

うーん、と粉を見つめていると。

　トントン、ガチャ

「あー、掃除めっちゃ疲れたー…しかも眠いし…くっそー…また睡眠剤入れてやがったー…」

「…ベッキョン、返事してから開けろよ」

「ノックしたじゃーん」

ベッキョンは勝手にズカズカ入ってきてベッドに横になった。

…セフンはベッキョンのこと、図々しい、という表現をしてたけど、まさにぴったりだと思う。

いつのまにかフードを取って寛いでいる…俺のベッドで。

あくびしたりして…今にも目閉じそう。

「なに持ってんのー」

「あ、これ…ベッドの下にあったんだ」

俺はベッキョンに粉を見せる…

と、ベッキョンは途端に目が覚めたような表情になる。

「え、これ…」

ベッキョンは俺から粉を奪った。

「な、なに？」

「すげぇ…初めて見た…！」

少し、興奮してる？

「な、何なの、これ？」

「独立の誓い！」

「…へ？」

「執着の呪いの解毒剤！」

…待て待て。全然なに言ってるか分かんないぞ。

「独立の誓いと執着の呪いって…なに？」

「あぁ…」

ベッキョンは冷静になる。

「…薄々、気づいてたろ。ジョンイナは、普通じゃないって」

普通じゃ、ない…。

「Aから離れると、禁断症状のようなものが出ることだよ」

「…うん」

今日もそうだったな。

少し離れるだけで、胸が苦しそうで、手も震えてた。

「執着の呪いっていう麻薬のせいだ」

「執着の、呪い…」

呪い、麻薬…

「服従の呪いも、麻薬だよね？ジョンデとギョンスに使われてるっていう」

「うん。そうだよ。…俺がこの家に持ってきた」

「え？」

「…この家に匿ってもらう代わりに、組織から逃げる時に何種類か持ってたやつをあげたの。そのうちの２つが、服従の呪いと執着の呪いだよ」

…ベッキョンが、この家に持ってきたものだったのか…。

「そんで、この独立の誓いっていう薬。執着の呪いを無効にできる、希少なブツなんだ」

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