桔梗を探して (ページ7)

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6.館の主ページ7

＜チャニョル＞

「チャニョルさーん！着替え、ここ置いておきますね～！」

元気なAの声が、バスルームの外から聞こえた。

「うん、ありがとう！」

バスルームは…ビビるほど豪華。

お湯は張られてないけど…え、ジャグジーだよね、これ。

床も高そうな石…大理石？

広すぎて、なんかそわそわする。

こんなところに住んでるって…何者だろう。

まぁいいや、落ち着かない、早く出よう…。

俺はさっさとバスルームを出て、Aが用意してくれたらしい着替えを着て、ドライヤーをして。

「よし、おっけー」

ドアを開けると、Aとジョンインが待っていたようだった。

「あ、ふふっ、服ぴったりですね！」

「う、うん。助かったよ」

…やっぱかわいくて優しくて…この子、天使かな？

「…Aにデレデレしないでください。ミンソギヒョンのところ行きましょう」

少し不機嫌なジョンイン。嫉妬してるのか…？

いや、それよりも。

「ミンソギヒョン、って…誰？」

「この家の主人です。その人に確認取らないと、色々」

「はぁ、確認…」

この家の主人、か…きっと大金持ちなんだろうな…。

「とってもいい人だから大丈夫だよ！」

「そ、そうなんだ…」

とりあえず、その人に助けを求めてみるか。

2人にまたついていく。

廊下の突き当たり。

大きな扉があって、いかにも、という感じだ。

トントン、とジョンインが扉を叩く。

「はい」

中から男の人の声が聞こえ、ジョンインは扉を開いた。

「ジョンイナ、A…その人は？」

大きな猫目がこちらに向けられる。

社長室みたいな部屋…ホコリ一つ落ちてなくて、綺麗だ。

「ミンソギヒョン、この人、道に迷ったって」

「迷った…？」

「あ、はじめまして、パクチャニョルと言います！…そうなんです、道に迷って…電話とか貸していただいてもいいですかね…？」

「チャニョルくん…か。僕はキムミンソクだよ。まぁ、そこに座りなさい」

「はい、失礼します…」

ミンソク、さんに言われて長いソファに座ると、ジョンインとAも隣に座った。

「Aはこっちにおいで」

ミンソクさんも俺たちが座る向かいの長いソファに座り、自分の隣を叩いた。

Aは言われた通り、ミンソクさんの隣に移動する。

チラッとジョンインを見ると、下唇を噛んでいた。

Aと離れて悔しいのかな。でも逆らえないんだろうな、この人には。