桔梗を探して (ページ41)

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40.命綱ページ41

＜ジョンイン＞

「A、またソース付いてる」

「ん、取って！」

「はいはい…」

毎食、こんな感じ。

隣で食べてるから、いつもAの世話をしながらになる…嬉しいけどさ。

「ね、食べ終わったら散歩に行こうよ！」

「うん、いいよ」

俺はAに微笑む。…やっぱり、この人がそばにいると安心する。

「散歩か…今日は天気も良いからね。気をつけていってらっしゃい」

ミンソギヒョンは、愛しい人を見る目でAに微笑む。

…俺の方は、見てくれないんだ。

「うん！ミンソギオッパも来る？」

「ううん、俺はいいよ。ジョンイニが嫉妬するからね」

…こうやって俺をいじめる。

俺からAを突き放したりくっつけたり。

好き放題だ。

「ふふっ、そうだねー！」

Aがこんな性格じゃなきゃ、俺の心は凍っていた。

俺に対してのミンソギヒョンは…氷のように冷たい人だ。

「さ、みんな食べ終わったかな？手を合わせて、ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでした」

ミンソギヒョンの掛け声で挨拶をすると、みんなは一斉に散り散りになる。

いつものことだ。

ここ数年、みんな、一定の距離感を保っている。

深く干渉もしないけど、仲が悪いわけじゃない。

…みんな、それぞれお互いを信用してはいない。

「ジョンイナ、行こ！」

…俺は、Aに微笑まれるだけで、Aがここにいるだけでいい。他の人との関係なんて、どうでもいい。

「うん、行こう」

Aは俺の手を握って、外に出た。

「どこまで行くの？」

俺の手を引っ張って外に出て…橋の方に向かっていくA。

「橋、どんなふうに壊れてるのか気になる！」

「あんまり行くと危ないよ」

「大丈夫！」

…何かあったらミンソギヒョンに怒られるの、俺なんだからな。

Aに連れられて、橋まで来る。

「わ…悲惨だな」

木でできた橋は、完全に崩れている。

「今までよくセフンはこの橋車で通ってたよな…」

セフンは唯一の調達係だから、みんなに色んなものを頼まれる。

車じゃないと、荷物を乗せきらないくらい。

「…あった」

黙って何かを探していたAは、そう呟いた。

「何が？」

俺はAの目線の先を見る。

「えっ…」

橋にとって、まさに命綱である、ロープ。

それが切れていた。橋が崩れた原因だろう。

Aはその切れ端をなぞる。

「…ふぅん」

Aは、目を細くした。

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