22.謎を落とす ページ23
＜ベッキョン＞
トントン
またノック音で目が覚める。
…どうせAだろ。
ガチャ
「ベッキョニヒョン」
…あれ、違う。
俺は目を開けてみる。
「…セフナ」
セフンが、ベッドに寝ている俺を見下ろしていた。
「どうしたんだよ〜珍しい」
「これ」
セフンが、紙を渡してくる。
「…これ、どこで」
「チャニョルのいる部屋の桔梗のランプの中、だって。チャニョルが見つけたんだと」
「…この字…」
『この子を助けてやってくれ』
「うん。前の住人のやつ」
セフンは俺の寝ているベッドに座って足を組んだ。
…相変わらず年下なのに偉そう。
でもなんか憎めないんだよねー。
「…もうすぐ、時効成立なんだ」
セフンが悔しそうに言った。
俺はフードを取り、上半身を起こす。
「え、それじゃ…」
俺は写真の少女を見る。
「うん。急がないと、切り札が無くなるよ。それに…」
「それに？」
「俺、怪しまれてるらしい。橋壊されたの、俺への忠告じゃないかな」
セフンが、ポケットから薬を取り出して、俺がそれを見たのを確認するとポケットにしまう。
「あらま！セフンさんも大変ですねぇ〜」
俺はまたベッドに体を沈める。
「眠いの、平気？」
セフンは俺の目を見て聞いてくる。
「全然。頭回んないし、最悪〜」
「眠気覚まし調達すればよかった」
「本当に思ってる？」
「うーん、微妙」
セフンは、敵か味方か、微妙なんだよな…。
「じゃ、俺はこれで」
そう言って、セフンが立ち上がった時。
トントン、と扉がノックされ、返事もしてないのにドアが開く。
「ベッキョナ〜…え、セフナもいる！？」
「…A」
Aはセフンがいるのを見て驚いている。
「ちょっとベッキョニヒョンに話があっただけだよ。…今夜も、待ってるね」
セフンはそう言いながら、部屋を出て行く。
Aとすれ違い様、さっき俺に見せた薬をAの手に握らせたのが見えた。
バタン、と閉まるドア。
「…大変だね〜種馬さんも」
俺がそう言いながらAの顔を見ると、Aは顔を歪めた。
「変な言い方しないの。ベッキョナの分も、セフナが背負ってんだから」
Aは近くにあった椅子に座る。
「最近、夜の相手、セフナばっかりだよな。前は俺にも来てたのに」
「…やっぱり、ミンソギオッパはセフナが1番かわいいのよ」
「いーなー、セフナは公式にAが抱けて！」
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年7月24日 21時
