桔梗を探して (ページ20)

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19.無邪気と疑念ページ20

＜チャニョル＞

俺は、Aとジョンインに、今までの生い立ちについてたくさん話した。

Aも…ジョンインも。

2人とも知らないことばっかりだったらしく、最初はAに付き合ってた風なだけだったジョンインも、すっかり目をキラキラさせて。

…ジョンイン、素直でなんか…かわいいな、お前。

でも、2人とのやりとりや反応を見て、分かったことがある。

ジョンインもAも、途中までは外の世界で育ったこと、でも、だいたい10歳くらいの時にここに来て、そっからこの館で育った、ということ。

「で、ばーべきゅーって何なの？」

「A、俺は知ってるぞ、バーベキュー。肉とか野菜焼いて食べるんだ！」

「やきにくと何が違うの？」

「えっと…チャニョルさん、お願いします」

「あはは！うーん…言われると、難しいな…バーベキューは外、焼肉は中でやるイメージがあるよ」

「ふぅん…」

…あれ、Aちゃん、なんか納得いってない？

たまに、俺の生い立ちについて話している時も、こんな反応をした。

俺もそんな反応を見て、なんかAに腑に落ちない部分があった。

「A、ミンソギヒョンさっき、今度やろうって言ってたよな？」

「うん、言ってた！オッパにお願いしてばーべきゅーやろ！」

あ、笑顔戻った。良かった…。

「ね、今すぐ行こうよ！晩ご飯がいい！善は急げ！」

…なんでそんな難しい言葉知ってて、お母さん、は知らないんだ…。

「う、うん。行こうか」

ジョンインはAに釣られて立ち上がる。

「チャニョルも！一緒にお願いしに行こうよ！」

「うん、いいね、行こうか」

Aの笑顔、やっぱり可愛いなぁ…癒される…。

「しゅっぱーつ！」

Aは俺とジョンインの手を握って引っ張る。

「ち、ちょっと…！」

チラッとジョンインを見ると、案の定睨まれていた。

…ご、ごめんなさい…いや、俺は悪くないからね！

ミンソクさんの部屋は、昼前に行ったな。

階段を降りて…そうそう、この長い廊下の突き当たりの大きい扉…って、あれ。

ミンソクさんの部屋から、俯きながらスホさんが出てきて、こちらに歩いてくる。

「…おっと」

近づくと、スホさんは俺たちに気付いたのか、顔を上げた。

「A、ジョンイン…チャニョルさんと仲良くなったのか」

「うん！スホ、今からね、ミンソギオッパに、バーベキューしてってお願いしに行くの！」

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