156.追加の言いつけ ページ8
＜ジョンイン＞
「ちょ、セフナ…！！」
「あ〜！！やっぱり、あっぱとおんまいちゃいちゃしてる…」
Aから唇を離した瞬間、慌てるようなチャニョリヒョンの声とセフンの声が聞こえ、急いで離れる。
「ったく…おいセフナ、追加。あっぱとおんまの邪魔もしちゃダメ。いいな？」
「えぇ…」
チャニョリヒョンが言うと、しょぼん、とした顔をするセフン…
追加、って、どういう意味だ…？
「ごめんね、お2人さん邪魔しちゃって…」
「い、いやいや！！」
Aは顔を真っ赤にしてる…可愛いな。
「おんま、おなかすいた…」
「あ…ごめんね、セフナ。すぐ作るからね！」
「うん！お、おんまのそばで、みてたい…」
セフンはあれから、だいぶ我が儘を言えるようになった、けど。
「こらセフン、おんまの邪魔しちゃだめだろ」
「あ…ううん、セフナ、私のお手伝いしてくれる？」
俺は注意するが、Aはそう言いつつ、チャニョリヒョンを見た。
「え、いいの！？」
「うん！」
「…えー、俺の遊び相手いないじゃん…しょうがない、ジョンインで我慢するか！」
そう言って、俺の腕を掴むチャニョリヒョン…あぁ、話さなきゃいけないこと、っていうのについてかな。
「そんなに言うなら遊んであげますよチャニョリヒョン」
「じ、ジョンイン…う、うれしいなー…」
全然嬉しくなさそうなチャニョリヒョン…ほんと、取り繕うの下手だな、この人。
「よし、じゃ2人の邪魔しないように、セフナ、行こう！」
「うん！」
Aとセフンは、キッチンへ走って行った。
「…で、なんですか」
残されたチャニョリヒョンに向き合うと、ヒョンはトン、と背中を壁に付けた。
「セフンが…久しぶりに、人に迷惑かけたよ」
「え…」
「Aちゃん、親しそうな上司の男の人とセフンを迎えに来たんだけどさ。その人に、セフンが嫉妬しちゃって…手、噛んじゃったんだ」
チャニョリヒョンは頭を抱える仕草をする。
…セフンが誰かに危害を加えるなんて久しぶりだ、けど。
「…誰、その上司の人って」
「キムミンソクさんって言ってたよ…あ、ジョンイナも嫉妬？」
…するでしょ、そりゃ。セフンの気持ちも分からなくはない…手を噛むのはダメだけどさ。
…いやいや、今はそれを気にしてる場合じゃなくて。
そうか…セフンが、また…。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年12月3日 2時
