190.やって来た日 ページ42
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…そして、その日はやってきた。
「ひさしぶりにお出かけだぁ♪どこに行くの、あっぱ、おんま！」
「ん、お洒落なカフェだよ。お洒落すぎてびっくりしちゃうかもね、セフナ！」
「かふぇ〜？なんかたのしそう！」
セフンは久しぶりのお出かけで…しかも、私とジョンインと3人で、というのは初めてで、テンションが高い。
「これ着たい！」って言ってお気に入りの服を着て、帽子まで被って、「おんまかっこいい？」なんて。
…けど、ごめんね。セフナが思ってるようなお出かけじゃないの。
「…A、そろそろ、行こう」
「…うん、そうだね」
私とジョンインは微笑み合う…できるだけ。
「しゅっぱーつ♪」
セフンの明るい声が響く、車内。
ふんふんと鼻歌まで歌っているセフンとは対照的に…私とジョンインの表情は固い。
セフンの手前、明るく振る舞おうとはしているけど…やっぱり、緊張する。
以前、『ベク』という単語に怯えてしまったセフン。
彼を見て、嫌なことを思い出さなきゃいいけど…それが、最も心配。
そして、次に心配なのは…。
「ん、着いたぞ」
あれこれ考えているうちに、待ち合わせのカフェの前に車が止まる。
「わぁ…ここが、かふぇ？」
「うん、そうだよ」
「ね、はやく行こ、おんま、あっぱ！」
「…ごめん、セフナ。俺はここで待ってるから、おんまと行ってきてくれる？」
「えぇ…なんで！？あっぱもいっしょ！！」
「なかなかセフナはおんまと2人きりになれないだろ？俺の気遣いだぞ〜セフナ〜」
…いや、口実にでも幼子に気遣いを押し付けないでよ。
なんて心の中で突っ込みつつ。
「そっかぁ…ありがと、あっぱ！次はさんにんで来ようね！」
「うん、そうしよう」
ジョンインは優しい顔をして、ガシッとセフンの頭を撫でた。
「あ〜！せっかくおんまにかっこよくしてもらったのに〜！」
「ご、ごめんごめん…さ、セフン、A。…いってらっしゃい」
「いってきまーとぅ！」
1人でガチャっと車のドアを開け、スチャッと降り立つセフン。
「…A」
私も出ようとすると、低い声のジョンインに呼び止められる。
「基本、ジョンデヒョンが見守ってくれてるから。何かあったら、俺もこっから近くの車の中にいるし、すぐ駆けつけるから」
「…うん、わかった。ありがとう」
「いってらっしゃい」
ジョンイナの優しい顔に頷いて、私は車を降りた。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年12月3日 2時
