183.向き合うべき ページ35
＜ジョンイン＞
『Aちゃんとも…相談、してほしい。前、1週間に1回会うって決めたんだよな？今週末、会う気があるなら…そこで。それまでに、結論を出してほしい』
「いや…でも、セフンを会わせたところで…」
『…ベッキョンは、かなり覚悟した感じがあった。”Aちゃんとの子どもが見たかった”…そのベッキョンの願望を、最後に叶えてあげたいだけなんだ。大丈夫、俺を信じて』
Aとベッキョンに、すっきりと別れて欲しい、という気持ちは分かった。
ベッキョンの方が一方的に逃げるんじゃなくて、ちゃんと、向き合わなきゃだめだって。
「…とりあえず、Aに相談する」
『うん。ごめんね、夜遅く…あと、イチャイチャ中だったのに、こんな話しちゃって。明日は遅刻しないようにね。おやすみ』
「…おやすみ」
釈然としないまま、チャニョリヒョンとの電話を終える。
「なんて…？」
Aは恐る恐るといった様子で聞いてくる。
「…ベッキョンが、アメリカに行くらしい」
「へ…？」
呆気に取られた様子のA…そりゃそうなるよな。
俺たちからしたら、突拍子もないことだし。
「それと…チャニョリヒョンが、ベッキョンにセフンと会わせてほしいって」
「へ…？」
さっきと同じ反応のA…そりゃそうだって。
「その２つに、どういう繋がりがあるの…？」
「…ベッキョンがアメリカに行くって決めたのは、Aを諦めるためらしい。でも、このままベッキョンが一方的にAから距離を取るのは、ベッキョンが逃げてるだけになるから…2人とも、しっかりと向き合うべきなんじゃないかって」
「…向き合う…」
「お互い、すっきりした気持ちで別れを告げる、、それには、セフンをベッキョンに会わせて、セフンがAとベッキョンの実の子だってことを教えるのが有効らしい」
「え…！？そんなこと、したら…」
ベッキョンは、セフンの実の親なんだから、本当の家族はこっちだとか言って、Aを自分のものにしようとする可能性がある…でも、チャニョリヒョンはそれを否定した。
「…うん。俺も心配なんだけど。ベッキョンは、アメリカに行くことに対して、相当強い意志を持ってるみたいだよ」
「…ベクの方は…覚悟を、決めて…」
「…そうみたい。だから、最後に…Aと自分の子どもがどんなのか見たかったっていう願いを、叶えてあげたいらしい…チャニョリヒョンは」
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年12月3日 2時
