アムネシアを枯らすな 4 (ページ29)

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177.大遅刻ページ29

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「…そろそろマジで行かなきゃね、仕事」

無理に笑っていたチャニョルは切り替えるように言う。

「怖いな～イーシン先生！他の先生たちに上手く説明しとくって言ってくれたんだけどさぁ、あの人何考えてるかわかんないしさぁ！」

うーん、と伸びをして笑うチャニョル。今度はちゃんと笑えてる。

「ヒョン、俺なんて今月で無断遅刻3回目だから。減給かなぁ…ごめん、A」

そう言って私を見てあはは、と笑うジョンイン…

「ううん、大丈夫。今日から私も働くから！」

そうだ、切り替えよう。

ベッキョンのことは、気になるけど…今はやることがある。

「じゃあ、仕事、行くか」

「うん、大遅刻だけどね！」

「大遅刻すぎてもう俺開き直ってるよ」

そう笑うジョンインの顔はどこか清々しい。

「お2人さん行ってらっしゃーい！」

「チャニョルもね！」

「うん！セフナは任せて～」

「お願いします、チャニョリヒョン」

「ん、了解！」

手を振るチャニョルに見送られながら、ジョンインと車に戻り…

速攻、2人とも職場に連絡する。

ミンソクさんは、苦笑いしてるっぽかったけど、安全第一で来てね、と神対応して下さり、ほっとして電話を切る。

ジョンインの方は長く電話をしていて、かなりねちっこく言われているのか、すいません、と何度も電話口に謝っていた。

スーツ姿でペコペコ頭を下げて謝っている姿に…私やセフンのために、今までこういう風に必死で仕事してしたんだろうな、と思った。

「…ごめん。長くなって」

ジョンインは電話を切ると、運転席に座り直した。

「ううん、大丈夫」

「…すげぇ、かっこ悪いところ見せた気がする」

そう言いながらエンジンをかけるジョンイン。

「ううん、かっこよかったよ」

「…嘘でしょ。フォローだとしてもかっこよくはないって」

「こうやって私たちのために必死に仕事してきたんだろうなって想像しちゃって」

「…はぁ、ほんと…」

ジョンインはシートベルトをはめようと掴んでいた手を離し、こちらにずいと体を向けてきた。

「急がなきゃいけないんだってば」

そう言いつつ、優しくキスをしてきた。

唇が離れて、熱っぽい視線と少し見つめ合って。

「…行くぞ」

照れ隠しなのか、急いでシートベルトをはめ直して、ジョンインは車を出発させた。

「Aは怒られなかったの？」

「んー、まぁ…安全第一で来てねって」

「…そうだな」

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