アムネシアを枯らすな 4 (ページ24)

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172.後回しにしてたページ24

＜ジョンイン＞

「昨日はありがとね、チャニョル」

「いえいえ！こちらこそ晩ご飯食べさせてもらって、しかもお土産まで、ありがとう！」

なんて、Aとチャニョリヒョンの会話をぼーっと聞いていると。

「おはようございまーす」

甘ったるい女の声に、ギクっと、体が強張る。

…しまった。

Aとはしっかり向き合って、良い関係性を再構築できているというのに。

自分の身の回りについて、まだ整理しなきゃいけないことがあったんだった…

「あ、てみな！おはよー！」

「せふな…あ、今日はじょんいないる！！」

脚にピッタリとくっついてくる感覚。

見下ろすと、テミンが俺の脚に抱きついていた。

「…じょんいな～？」

無垢な目でこちらを見上げるテミンを見下ろす。

…顔、上がらない。

上げちゃったら、テミンの母親が…。

「て、テミン、おはよう！」

「あ、ちゃにょるせんせーおはよ！ねー、今日はじょんいな元気そうだね！」

「そ、そうだねー…」

「あっぱもうげんきだよ！だからきょうはおんまとあっぱと3人で来たの！」

チャニョリヒョンが場を和らげようとするも、残念ながら失敗している…。

Aとテミンの母親は何も動こうとしないし…特に後者が何も言ってこない、というのが怖い。

子どもたちがいなかったら最悪の雰囲気…とはいえ、その原因は俺にある。

テミンの母親とは、Aが帰ってくる前、いい感じになっていた…テミンは俺に懐いてるし、なんなら再婚まで考えたことがあって。

だけど、Aが戻ってきて、状況が変わった。

俺はAとの関係性にばかり気を取られて、こっちのことを放ったらかしにしていた。

『ジョンインくんの方も、ちゃんとケジメ、付けるんだよ』

チャニョリヒョンにそう言われてたのに…。

ちゃんと謝って、別れを告げないと。

そう意を決して、顔を上げた時。

「あ、みなさんお揃いで…おはようございます～」

ほわほわとした声…

「あら、イーシン先生～！！」

テミンの母親は、甘ったるい声を出して、やってきたイーシン先生に近寄る…え。

「テミンママ、おはようございます～、今日もお綺麗ですね～！」

「あらやだ、イーシン先生ったら…」

顔を赤らめるテミンの母親…え。

俺が戸惑っていると、チャニョリヒョンがおずおずと近づいてきた。

「この前から、こんな感じなんだよ…テミンママ、イーシン先生にぞっこんでさ…」

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