149.上司の送迎 ページ1
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「…と、いうわけで…早速明日から、ちょっとずつ勤務時間も増やしていこうね」
そう言ってミンソクさんはファイルをパタリと閉じ、社員証を渡してくれた。
「はい、よろしくお願いします！」
社員証を受け取って眺める。
…うわぁ、この写真、いつ撮ったものだろう。若々しくてやる気に満ち溢れた顔してる。
「さ、そろそろ帰ろうか」
「はい…ミンソクさんも、今日は上がりですか？」
「うん。もう定時だしね」
時計を見ると、18時を過ぎたところ…
「やばっ、セフナ迎えに行かなきゃ…！」
「ん…あぁ、セフンくんか」
「はい…ミンソクさんは、会ったことあるですか…？」
「うん、ちょっとだけね。でも、よくAちゃんが写真で見せてくれてたよ。すっごく小さくて可愛かったなぁ…今は何歳？」
「5歳です」
「うわぁ、そんなに…Aちゃんが迎えに行くの？」
「はい。夫は…ちょっと疲れてるので」
「そっか…ここまで、電車で来たんだよね？」
「はい…」
「じゃあ僕が車で送るよ！」
「え…い、いいんですか…！？」
正直、すごく助かる…！ここまで来るのに死ぬほど疲れたし…。
「うん！せっかくだから、5歳のセフンくん見てみたいなぁ…なんて、思うんだけどな」
やっぱりミンソクさんは神だ…。
私は結婚してるけども、男性としても魅力的な人だ、とは思う。何より人として尊敬できるし。
「それなら、お願いしたいです…」
「任せて！それじゃ、行こうか」
ミンソクさんの車に乗せてもらい、セフンのお迎えに向かう。
「あ、そこの交差点を右に曲がったところです」
「はーい」
きゅ、と車を駐車場に止めて、ミンソクさんと門の方に向かうと。
「あ、おんま〜〜！！！」
遠くから私に気づいたセフンが、走ってやって来た。
「おんま、ただいまっ！！」
「うわっ！セフナ、おかえり…元気だねぇ」
思いっきり抱きついてきたセフンをしゃがんで受け止める。
「おんま、あっぱとずっと2人きりだったんでしょ…？うらやましくて…ずっと会いたかったんでとぅ…」
「そっかそっかぁ〜おんまもセフナに会えて嬉しいよ」
「ほんと！？…あ、おんま、きょういつもよりおしゃれしてる…あ、あっぱとでーとしたの！？」
「あはは…ううん、違うよ」
セフンを抱っこして立ち上がると。
「久しぶり、セフンくん…って言っても、覚えてないよね」
ミンソクさんが、セフンに話しかけた。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年12月3日 2時
