アムネシアを枯らすな 3 (ページ9)

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108.天使降臨ページ9

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イーシン先生とチャニョルに見送られて部屋を出る…と。

「セフナ～！！かえっちゃうの～！？」

出た直後に、可愛らしい男の子の声がして、下を見ると。

…うわぁ、天使みたい…

うちのセフンもめちゃくちゃ可愛いけど…この子も、物凄くかわいい…見た目は女の子みたいだけど、声は男の子だったな…

「あ、テミナ…おねつがあるからかえるの」

…ん、テミナ…？

「もしかして…テミンくん…？」

朝に会った、あの上品で綺麗なテミンママの…？

セフンと仲良しって言ってたし、そうなのかな…。

「うん…僕はテミンだけど…おねえさん、僕のこと、しってるの？」

「おねえさんじゃないよ！僕のおんまなんでとぅ！！」

「…おんま…」

綺麗な目をぱちぱちとさせながら私を見上げるテミンくん…か、かわいい！！天使！！！…と、思っていたが。

「セフナ、ジョンイナはー？」

…え、ジョンインのこと、だよね。

よ、呼び捨て…？

「あっぱはおしごと！」

「そっかぁ…」

寂しそうに俯くテミンくん…ジョンインのこと、好きなのかな…

もしかして、家族ぐるみで仲良くしてる？

「あれ、Aちゃん、まだ行ってなかったの…って、こら、テミン！お昼寝抜け出してきたな～！？」

チャニョルが部屋から出てきて、テミンを見つけて近寄ってきた。

「だ、だって！セフンがしんぱいだったんだもん！…あとジョンイナにあえるかなって…」

口をもごもごさせるテミンくん…よっぽど好きなんだな、ジョンインのこと…。

「ジョンインくんは来ないよ。ほら、セフン病院行かないといけないんだから…テミンも行くかぁ～？」

「い、いかない！セフン、びょういんふぁいてぃん！」

「うん！じゃあね～テミナ～」

セフンは私に抱き抱えられたまま手を振る。

…小さい子たちのやり取りって、可愛くて癒されるなぁ…。

「よし、じゃ、Aちゃんよろしくね」

「うん、ありがとね、チャニョル」

「仕事ですからね～」

にこっと笑うチャニョルに軽く手を振り、保育園を後にする。

とりあえず家に帰って…保険証探さなきゃ。

元来た道を、セフンを抱っこしたまま歩く。

「おんま、僕、おもくない？だいじょーぶ…？」

顔が赤いままのセフンは、私をうるうるとした目で見る。

「うん！大丈夫だよ！心配してくれてありがとね」

本当にこの子は、優しい子だな…。

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