アムネシアを枯らすな 3 (ページ47)

今日:7 hit、昨日:16 hit、合計:64,709 hit

146.恋人っぽいページ47

.

「うっ…も、無理、です…」

結局、元気を取り戻したジョンインに3回戦を持ち込まれ。

そのままの流れで応戦したものの…完全に、疲弊。

「あー…ごめん。やっぱ会社行けない体にしちゃった…？」

「会社は、行く、けど…うぅ…」

「ご、ごめんって…！」

必死で謝って抱き締めてくるジョンイン。

いや…久しぶりにこんなにたくさんジョンインに求められて、繋がれて…嬉しかったし、幸せだったんだけどね。

「ちょっと休む…っていうか、今日はもう禁止！」

「えー…って、言いたいけど…そりゃそうだよな。水、持ってくる」

散らかった服を拾って着ながら寝室を後にしたジョンイン。

思えば…こんなに2人きりになったのなんて、初めてだな。

「んーっ…」

背伸びをして、私も服を着る。

「はい、水」

「ありがとー…」

ジョンインが持ってきた水を飲んで。

あぐらをかいて座るジョンインの脚に頭を乗っける。

「あー…甘え期なの？」

「だって疲れたもん…」

私がそう言うと、ジョンインは、ははっ、と笑って私の髪を撫で始めた。

「なんか…恋人っぽいな」

「え？」

「…俺たち付き合ってすぐにセフン生まれた感じだし…あんまり恋人らしい期間、過ごしてこなかったからさ」

「付き合ってすぐ…」

それは…予期せぬ出来事だったのかもしれないけど。

でも、結果的にセフンっていう可愛い可愛い子が、私とジョンインの間に生まれてきてくれたんだから。

それは…運命だったのかな、なんて。

「私たち、相性良かったのかな」

そう言ってジョンインを見上げると…少し、顔を歪めた気がした。

「まぁ…なんにせよ、さ。久しぶりにこうやって2人きりで過ごせて、嬉しいよ」

そう言ったジョンインには笑顔が戻っていたから…触れなくて、大丈夫かな。

「うん。そうだね。会社に行くまで…ゆっくりしよう」

その時間は、まったりと…そして、あっという間に過ぎていった。

「…やば、そろそろ準備しないと」

「え、もうそんな時間？」

会話が多かったわけじゃないのに…ただそばにいるだけで、心が満たされた。

「服…これでよし。メイクして髪も整えて…うわぁ、久しぶりだなぁ…」

なんて言いながら準備をする私を、ジョンインは追いかけ回してきて。

「…すっげぇ綺麗。どこにも行かせたくないんだけど」

見送りの玄関では、そんなことを言ってきた。

.